静かな、夕方の薄暗い部屋の中で、一人で泣いていた。

友達はいなかった。

親は共働きで、家で一人だった。

孤独だった。

寂しくてテレビを付けたら、教育テレビで子供達が歌い踊っていて、少しの間それを見ていた。

飽きてしまって他のチャンネルにかえる。畑仕事に関しての番組を放送していた。

外はしとしとと雨が降っていた。

薄暗いどんよりした空だ。
雨粒まで灰色に見えたけど、それはよくみると綺麗な水色をしていた。

何となく、リビングを出て自分の部屋へ戻る。
当たり前だけど、自分の部屋の窓の外も、雨でごたごたに濡れた町並みが見えた。
寂しげな景色だと思った。

机に向かい、ブラウンの小さな卓上ライトをつけて、なんでもない落書きをした。水彩色鉛筆で、水色と灰色とピンクを使った雨のイラストを描いた。

綺麗な色合いに見えるのは、ライトの灯りのせいかもしれない。でも、少しだけ満足した。

そのあとは、携帯ゲーム機で遊んでいた。
それはとても退屈なことなのに、気がつくととても長い時間やっていた。

ふと、時計を見ると、母親の帰ってくる時間が迫っていた。暗い部屋の中、見えづらい時計の針。

私には、何もかもが夢のようだった。
悪夢でもない、ふわふわした、そして憂鬱な夢の中にいるような気がした。いつも。

明日の朝、また学校から電話がかかってくるだろうか。

母親には、いつまで迷惑をかけるのかな。
父親を、いつまで心配させるのかな。

私には出口もなく、窓すらないような気がしている。
永遠にこの雨の景色を、見続けなくてはいけない気がしていた。

いつか、傘を持って外に散歩に行けたらいい。
きっと寒いだろう。
外を歩いている人と同じ、他の人と同じ雨の中、私は私の傘の中にいて、歩いて行けるだろうか。

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