仕事で大阪に来た。
新大阪からタクシーに乗ってしばらく、私は手元のスマホでちょっとした作業をしていた。
それが一段落して、もう少ししたら目的地に着くかな、という感じになったので、運転手さんと会話を始めた。
「あさって、大阪都構想の投票ですね。」
「そうですな。」
「賛成ですか、反対ですか?」
「どっちでもいいですわ。」
「あっ、そうなんですか?」
「賛成も、反対も、私から見れば、そもそも、どちらの側も、ああいう政治家さんたちに不信感があるんで・・・」
「ああ、そうなのですね。」
それから話題を少し変えて世間話をしたけれども、運転手さんのお気持ちのニュアンスは伝わってきた。
大阪市をなくして特別区に再編するとか、政治家とか公務員の方々にとっては「おおごと」なのだろうけれども、はっきり言って庶民にはそこまで関係ない。それは、少しは影響があるかもしれないけれども、政治家たちが自分で思っているほど、重要ではない。
もっと大切なのは、目の前の生活を守ることなんだろう。いろいろ工夫して、心を砕いて。
一人ひとりの生活を良い方向にも悪い方向にも左右できると思うこと自体、政治の思い上がりなのかもしれない。
上に政策あれば、下に対策ありという中国でしばしば聞かれるという警句も思い出した。
運転手さんの言葉から伝わった気持ちは、大阪都構想について今まで聞いてきた言葉の中で一番説得力があるように感じられた。
(クオリア日記)
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