講演の後の懇親会などにさそわれると、ぼくは基本的に飲んだり食べたりできないものと最初からあきらめている。


 特に参加者が本を持たれているような会だと、サインをさせていただいたり、写真をとったりといったことで、結局懇親会が終わるまで、ワイン一口みたいなことになる。


 それはぼくは最初からわかっているけれども、懇親会の主催者の方はわかっていらっしゃらないことも多いから(単純に経験数の違いで、ご厚意にあふれていらっしゃるのだが)、飲みものを持ってきたり、たべものをお皿にとって持ってきてくださったりする。


 お心づかいはうれしいのだが、そのようなものに手をつけている時間はたいていない。


 それで、終了時間まで、ずっとサインをしたり、写真を撮っていただいたりする。

 

 2時間くらいはあっという間に経ってしまう。


 ごはんを食べたり飲んだりするのは、すべてが終わってから、ということになる。


 それは、ぼく本人はわかっているけれども、主催者の方はわかっていらっしゃらないから、そこのやわらかなすれ違いが時々心に迫る。

(クオリア日記)