日本テレビの古野千秋さんからおさそいを受けた。

 今上野の森美術館で開催中のゴッホ展(http://www.ueno-mori.org/exhibitions/article.cgi?id=913189)の内覧会があるから、ぜひいらしてくださいというのである。
 
 古野さんは、音楽や絵画などの芸術がお好きで、日本テレビでずっとそのような仕事をされてきた。

 幸い、仕事の合間に立ち寄ることができたので、上野にでかけた。

 今回、最後の部屋(『糸杉』などのゴッホの円熟期の作品が集められた部屋)だけ、内覧会ということで特別に、作品の単独写真ではなく、自分が入っていたり、複数の作品が入った景観としての写真だったら撮影してSNSでも出してよいという。

 展覧会は、画家、ゴッホが若い頃の習作から始まる。
 
 最初の部屋にあったペンで紙の上に描いた線画や、エッチングがまずは本当に巧く、そして絵画としても強く惹きつけられて、これを見るだけでもこの展覧会に来る価値がある。

 ゴッホは最初から私たちが知るようなゴッホだったわけでなく、当たり前だが苦闘する若き芸術家だった。そして、自覚的に学習し、努力することで徐々に私たちの知るゴッホになっていったのである。

 今回の展覧会は、そのゴッホの成長の軌跡、魂の旅をゴッホ自身の作品や、ゴッホがインスパイアされ、影響を受けた他の作家の作品とともにたどっていく構成になっていて、とても見応えがある。

 私はふだんは音声ガイドは使わないのだけれども、今回よくできているのでぜひと言われて拝聴したけれども、確かに、ゴッホの成長の軌跡がとてもわかりやすく伝わってきた。

 決定的だったのは印象派との出会いで、最初は印象派の絵に否定的な意見や反発を感じていたゴッホ自身が、深いところで変わっていって、やがてゴッホもまた印象派の大きな流れの中に位置する巨星になっていく。

 大切な役割を果たしたのが、画商でもあったゴッホの弟、テオ。
 テオは、売れないゴッホにずっと支援を続けた。ゴッホの将来を信じていた。

 最後の部屋は、ゴッホの神のごとき作品が並んでいて、見ているだけで幸せな気持ちが深く広がっていった。

 ほんものの絵を見ることには、ベンヤミンの言う「アウラ」がある。

 一つひとつの筆のあとが、きらきらと力強く宝石のように光って、それが一つの絵になるその現象学的体験は、ゴッホ展の会場に行かないと体験できない。

 すばらしい経験をしました。古野さん、ありがとうございました!

(クオリア日記)

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