アーサー・ビナードさんのパブリックイメージがどういうのかわからないけれども、詩人で、子ども向けのことをいろいろやっていて、やさしい人というものなのかもしれない。


昨日アーサーの話をいろいろ聴いていて、芯のところでラジカルというか本気の人だとよくわかった。


その点についてアーサーに聞いたとき、アーサーが言ったことが面白くて、つまり、子どもというのは大人と違って実際いつも真剣で、大人がだまされてしまうような権威だとかそういうことではだまされないから、子どもに向き合おうと思ったら、大人もまた真剣にならなくてはならないのだ、ということなのだった。


それで、斎藤惇夫さんがここ何年か幼稚園の園長もされていて、その際の愉快なエピソードもおもしろかった。


ある子どもが、園長、大きくなったら、何になりたいの、と聞いたのだという。

それで、斎藤惇夫さんは、中原中也の詩『帰郷』の中の、「ああ おまえはなにをして来たのだと・・・ 吹き来る風が私にいう」という句を思い出して、それから、子どもに、「園長になりたいなあ」と答えたら、子どもが、「園長みたいないいかげんなお仕事じゃなくて、ほんとうのお仕事!」と言ったのだという。


つまり斎藤園長はいつも子どもたちとニコニコ笑って遊んでいるけれども、その子のパパやママはどこかにでかけて真剣に仕事をしていると思っていて、そのような仕事にいつ斎藤さんはつくのか、という問いだったらしい。


真剣な斎藤さんも、過激なアーサーも好きだ。それがぼくの中の内なる子ども(inner child)なのかもしれない。

(クオリア日記)