ケン・ローチの新作、Sorry we missed you(原題)、必見です。魂を震わせて、再生させるために。


 ケン・ローチはほんとうにすごい監督だと思うんだけど、I, Daniel Blakeに続いて日本でも公開されるということだけど、Sorry we missed you(原題)は本当に掛け値なしに素晴らしかった。


 ケン・ローチは、一貫して社会の不正義、不公平を告発し、苦しい立場に置かれているひとたちに寄り添って映画をつくっている。


 ケン・ローチが卓越しているのは、このような問題、境遇が、ファンタジーとして消費されてしまうのではなくて、徹底的なリアリズムがあるということだ。


 その背後には、リサーチの追求があるのだろうし、ケン・ローチ自身の現実を見る透徹した眼があるのだと思う。


 ありがちな、ファンタジーとしての甘ったるい話とは何光年も距離を置いているのがすごい。


 Sorry we missed you(原題)に登場する人たちは、みなぎりぎりで必死に生きていて、善意に満ちていて、倫理観を貫いていて、物語は予断をゆるさず、見ながら、お願いですから、どうか、この中の誰も不幸になりませんようにと祈っていた。


 実際に作品を見て欲しいのだけれども、ラストの衝撃は深く心に響き、こんな終わり方があるのかと、魂の芯を貫かれて感動すると同時に、ケン・ローチの怒り、そして愛を受け止めた。


 ケン・ローチの新作、Sorry we missed you(原題)、必見です。魂を震わせて、再生させるために。


(クオリア日記)