火曜だったかに風邪を引いて、案外熱が出て、でも熱が変動して、38℃台もあれば36℃台もあり、一時的には39℃を超えたこともあった。


 こまったのは休めない仕事がいろいろ入っていたことで、きついピークに、22時から24時のラジオの生放送もあった。


 講演とか、授業とか、自分がいかなくてはどうしょうもない仕事の現場になんとかたどり着いて、本番になったらベストを尽くし、終わったらスイッチを切って移動した。


 まいったなあ、と思った。


 一番の気がかりが、日曜に九州の糸島を15キロくらいランニングする番組のロケがあることだった。

 ふだんだったら15キロくらいなんともないが風邪を引いていたら別だ。


 しかも、ディレクターによると、途中で3.5キロ山道を上るコースだという。


 「3.5キロの上り坂!!!」


 ぼくはなんとかその時までに治りますようにと仕事の時以外はひたすら目を閉じてやすむようにした。


 失敗だったのが、金曜、暑い日だった。朝熱を測ったら36℃台だったのでしめしめと思い、10キロ走ってみた。かなりダメージがきた。それで、午後から夕方にかけてかなり体温が上がっていった。主観的にもキツかった。


 翌日の土曜は午前中の大学の授業と、午後の大学の公開講座があった。キツいことはきついのだが、始まるまでは心も体もできるだけオフにして、始まったらぐっとオンにするというやり方で乗り切った。


 そのまま、九州に飛んだ。体温は37℃から38℃のあたりをいききしている。


 ディレクター、プロデューサーの方と打ち合わせしながら、ここ数日間の体調を伝えた。


 明日の朝までに下がればいいなと思いながら眠りについた。


 朝測ったときにはさいわい体温は落ち着いていた。7時10分にホテルに迎えにきたらもう待ったなしである。


 ヨーイドン!


 3.5キロの上り坂ももちろんキツかったが、撮影時間がたくさんあった海岸で、糸島にしてはこの季節珍しいという強風が吹いて、それが体力を徐々に奪っていったようだ。


 ゴールして、なんだ、走れたじゃないか、よし、今日ゆっくり寝て治してしまおう、と思っていた時点ではまだ甘かった。 


 ロケバスの中で測った体温は36℃台だった。


 ホテルに戻り、小さな湯船に熱いお湯を張ってその中にうずくまった。体が芯まで冷えていたらしい。


 夕飯ひさしぶりにちゃんとしたものを食べようと思ってトンカツに行ったらしまっていたので、近くにあった妙なおやじのやっているインド料理屋に行き、戻ってきて、横になった。


 ふと目が覚めたら、頭というか、関節というか、猛烈に痛い。あれれ、と思って体温を測ったら38℃とか39℃とかある。


 なんじゃ、これはと思って、しばし呆然とした。

 「痛くて眠れない」とか検索してしまった。


 仕方がないので、「百年目」とか「居残り佐平次」をかけながら、いつのまにかうとうとする作戦に出た。それでもずっと痛い。


 どうも、風邪本体の方は治っていて、それの残りに加えて、海岸で寒風にさらされたストレスの反動のような気がする。そもそも、筋肉にも過大な負担をかけているのであるが。


 痛みと熱は朝まで続いた。


 仕事は午後からなので、フロントに聞いたら、チェックアウトをのばせるというので、13時くらいまでねていた。


 というよりも、悶絶していた。


 また湯船に熱いお湯を張ってうずくまった。


 おそらく風邪そのものは治ったんだけど、糸島の無理全体が痛みとか熱とかになって出てきて、それを悶絶して寝転がって修復しているイメージだった。

 

 それにしてもほんとうに苦しい数日間だった。ぼくに日常は戻ってくるのだろうか(笑)


(クオリア日記)