連続ツイート2342回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。


東大寺のお水取りのときに毎年使われる「日の丸盆」が、たまたま何らかの理由で民間に流通して、古美術の世界ではたいへん珍重されている。黒いうるしの上に朱のうるしを塗ったもの(根来)が、長年つかわれて朱がはがれてまだらの模様になってくる。


日の丸盆の黒と朱の模様を、「景色」というけれども、この言い方は古美術において器などにもつかわれるもので、長年つかわれ、人から人に伝わっているうちに(伝世品)、その一品だけの独特の模様ができてくることを珍重するのである。


「景色」とはおもしろい言い方で、たとえばどこかにでかけて山や海や空があり、緑がある様子を見ていても、私たちはそこに「景色」があると感じる。その「景色」は長年の作用によって徐々につくられてきたもので、空間とともに時間の要素が入っている。


それに対して、完全に人工的な設計にもとづいて構成される空間のことを、「景色」とはあまりいわないようである。つまり、「景色」というのは人間が、自分ではコントロールできないものに向き合うときに使う言葉で、そこには人為と自然の混ざり合いについての諦観と享受と歓喜がある。


一人ひとりの人間も、生きているうちにいろいろなことがあって、その人の意図を超えてしまう場合もあるし、流れながれて思わぬところにたどり着くこともある。そう考えてみると、人生は、私たちが手にする、目にする最高の「景色」なのかもしれない。


以上、連続ツイート2342回「景色について」をテーマに5つのツイートをお届けしました。

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