連続ツイート2340回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。


小林秀雄は、おいしいものが大好きだったが、店にふらっと入って、店主に、「なにかおいしいものはあるかい」と任せるスタイルだったという。この店の何かが美味しいということを聞きつけて、それを目当てにいくことはなかった。


ある店のこの料理が評判だと聞いてでかけていくのは、ある種の「答え合わせ」になってしまうかたちになる。こういうおいしいものがあるのか、じゃあ、行ってみよう、ああ、確かにおいしかった。小林秀雄は、そのようなことはしなかったという。


店主に、「なにかおいしいものはあるかい」と聞いて、それ以上は任せるというのは合理的である。その日に入っている素材が何かはわからない。それをどう料理したら一番うまいのかもわからない。それを知っているのは店主であり、だから小林秀雄は店主にまかせた。


今、国際的にも日本の「おまかせ」が流行ってきているけれども、客が料理をこれだというよりも、むしろその日の一番良い素材、料理を知っている店主にまかせた方が合理的なところがある。小林秀雄は、「おまかせ」の達人でもあった。


ふらりと入った店で、「なにかおいしいものはあるかい」と尋ねる小林秀雄のやり方はまた、未知のもの、自分が知らないことに対する一つの心の持ち方でもある。自分の心の中に空白をつくり、そこになにかを招き入れる、そのようなことができる人であった。


以上、連続ツイート2340回、「おまかせの達人、小林秀雄」をテーマに、5つのツイートをお届けしました。

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