空港で、飛行機を下りたばかりの小さな男の子が、お母さんに手を引かれて歩いている。


 男の子は、一生懸命からだをのばして、向けて、「飛行機見る!」「飛行機見る!」と言っている。


 見られればいいな、と思ったけれども、お母さまは先を急いでいるようで、立ち止まらない。


 そのうち、男の子は、「飛行機かっこいいから見る!」と言い出した。


 そうか、飛行機かっこいいのか。


 見たいんだな。と思った。


 見られたらいいな、と思った。


 そうしたら、その男の子が、「飛行機が飛ぶところを見たい!」と言い出した。


 目の前にあるのは、駐機場にならんだ飛行機。


 うーん。飛び立つところを見るのは、少し無理かもしれない(笑)。


 男の子も無理だとあきらめたようで、おとなしく手をひかれている。


 ぼくもいっしょに諦めて、先を急いだ。


(クオリア日記)