乙武洋匡さんがnoteで興味深いエントリーをしている。

「私の本が、売れません。」


取材もたくさん受けたのに、なかなか動かないというのである。

私にも経験があるが、本は売れるときは売れる、売れないときは売れない。

普通の意味でのパブリシティや、SNSなどの拡散は、実はあまり関係がないという気がする。

もちろん、知るきっかけにはなる。しかし、それだけでは人間の脳は動かない。

グラフ理論的に、どれくらいのノード(潜在的購入者)と接続しているかというような解析ではどうも本質が見えてこないと思う。

私が感じているのは、人々は「実質」や「イベント」に興味があって、それをいろいろなアンテナで探ろうとしているということである。

その際、タッチポイントは確かに重要だが、ほんとうに大事なのはものごとやイベント自体の実質であり、熱である。

乙武さんの小説には実質も熱もあるが、それが、普通のパブリシティのようなやり方では伝わらないこともあるのだと思う。

単なるグラフ理論的な解析ではもはや時代はとらえられないというのは、たとえば、地上波テレビでレギュラーを持っているような人が必ずしももはや(特に若者の間では)メジャーではないということでもわかる。

そういうことじゃなくて、実際にとてつもないことが起こっていたら、必ずひとびとはそれを探り当てる。どんな手をつかっても。

米津玄師さんがいたら、みんなそれをさぐりあてる。

楽曲をヒットさせるということだって、テレビでがんがん流せばそれでいいという時代ではない。

古典的なパブリシティが効かず、実質や熱だけしか意味がない時代が来ているとしたら良いことだと思う。

今回のnoteのエントリーが、「つながる」一つのきっかけになるでしょう。

実質も熱もある乙武さんの小説がたくさんの方に届くことを祈っています!

(クオリア時評)



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