セレンディピティで最も大切なことの一つは、「タイムウィンドウ」である。セレンディピティの種に出会ったら、今やっていることをとりあえず止めて、そのことについて考える。そのような心の余裕がないとセレンディピティを逃してしまう。

たとえば、Aという目標のために活動しているとして、Bというセレンディピティの種に出会ったとする。その際に、今自分はAを目標にやっているのだから、Bは関係ない、とそれに注意を向けないと、セレンディピティを逃してしまう。

セレンディピティの定着には、偶然の幸運として出会ったBという種を認識し、その意味を理解し、そして受容するだけのタイムウィンドウが与えられなければならない。そのためには、今やっていることをいったん止めて、Bにきちんと向き合わなければならないのである。

セレンディピティでBに出会って、それを理解するために立ち止まるという認知プロセスは、「ひらめき」に似ている。ひらめきにおいても、脳の神経活動が短い時間いっせいに活動して、それまでやっていた通常の認知プロセスが一時停止する「タイムウィンドウ」が与えられる。

また、セレンディピティでBに出会った時の活動の一時停止は、対人関係における誠実さとも関係する。何か活動していても、困った人や、こちらの注意を要求する人が来たら、手元のことをいったん止めて、向き合うのである。

セレンディピティにおける種Bの捕獲、定着に必要なタイムウィンドウの付与は、このように、関連したさまざまな認知プロセスと関連付けられており、その意味で、「手元のことをいったん止める」というスキルを身につけることが大切である。

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