ストレスは、脳にとって大敵である。ストレスを軽減するには、簡単な人生の「仕分け」をすれば良い。人生を、自分で努力すればなんとかコントロールできることと、コントロールできないことに分ける。前者についてはベストを尽くす。後者についてはあきらめれば良い。

たとえば、誰かが好きになったとして、その人も自分を好きになって相思相愛になるとは限らない。好かれようとベストを尽くすことはいいけれども、相手が自分を好きになるかはコントロールできない。好きになってくれればラッキーだし、ならなければ仕方がないと諦めるしかない。

恋愛において、自分が努力すれば相手も好きになるだろうと思うのは、間違った仮説である。もう少し努力すれば、相手も自分の良さがわかるだろう、と泥沼に入るのは、ストーカーへの道だ。自分が相手を勝手に好きになるのと同じように、相手も自分を勝手に好きになるのである。

赤ちょうちんなどで、「政治がわるいんだよ」とか「部長はわかっていない」とくだをまいている方がいらっしゃるが、政治も部長も、自分にはコントロールできないことなのだから、うまくいけばラッキー、いかなければ諦めるしかない。コントロールできないことをなんとかしようとするとストレスになる。

イチロー選手が、シーズンの目標をきかれて「首位打者」などと答えなかったのは、打率の順位は他の選手がどれくらい打つか、という自分がコントロールできない要素を含むからである。だから、自分が努力すれば向上できる、バットのコントロールやトレーニング法だけに集中されてきた。

子どもが勉強しない、とイライラしている親御さんがいらっしゃるが、子どもの脳は別人格だから、コントロールしようとしてもできない。勉強に興味を持つ環境をつくるなどベストを尽くすことはできるけど、その結果子どもがどうするかは、親が制御できないのだから、ストレスがたまるだけだ。

商品やサービスを売り出しても、それを良いものにするためにベストを尽くすことはできるが、結果としてマーケットがどのように受け止めるかは、自分ではコントロールできない。うまく流行ればいいし、流行らなければ仕方がない。なんで流行らないんだ、と文句を言っても仕方がない。

自分がコントロールできることについてはベストを尽くし、コントロールできないことについては諦める。このような「仕分け」さえできていれば、人生のストレスは大幅に軽減できる。仕分けのあとは、自分がコントロールできることについてだけ、ベストを尽くせばよい。


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