ねこの国では、また、次のように信じられてきました。

満月だったのが、次第に欠けてきて、やがて細いほそい三日月になり、それがさらに痩せて、線のようになると、それまで月にいたねこが、もうそこにはいられなくなる。

いくら、月に足や手をかけていても、もうそれ以上、支えられなくなってしまう。

それで、月が、秋の草のように細くなると、月からねこが落ちてくる、というのです。

「にゃあ~」と、声にならない声を上げて、落ちてくるというのです。

はるかな、空の上から。

そんな大人ねこの話を聞いていた子どもねこたちが、びっくりしてたずねます。

「えっ、お月さまって、高いところにあるんでしょう。」

「そうだよ。」

「そんなに高いところから落ちて、けがはしないの?」

「だいじょうぶ、それはね・・・・」

月から落ちるねこ。

その先には、おどろくべき運命が待っていると、ねこたちは信じていたのです。

つづく。

(『月ねこちゃん』のお話は、カテゴリー 『月ねこちゃん』にまとめられています。)

月ねこちゃん20160510