ランニングをしていたら、公園で、小さな女の子が、おかあさんといっしょにいた。
女の子がしゃがみこんで、「どんぐりたくさんある!」と言っている。
そのうちに、女の子がうれしそうに飛び跳ねて、おかあさんのところに駆け出した。
「ねえ、ママ、三角のどんぐりあったよ! 三角形のどんぐりだよ!」
「まあ、すごいわねえ。」
おかあさんはそう応えたけれども、もうひとりのママ友と笑っていて、女の子のどんぐりをちゃんと見ていない。
そのうち、女の子がまた声を上げた。
「あっ、石だった。三角のどんぐりだと思ったけれども、石だったよ。」
少し、きまり悪そうな女の子。
そうか、石だったのか。
ぼくは少しスピードを上げて走り抜けた。
(クオリア日記)