月別アーカイブ / 2020年05月



 先日、ランニングをしていたら、公園で、小学校に上がる前くらいの男の子がものすごくスピードで走っていて、そのあとから、その(小学校高学年くらいの)おねえさんが走ってきた。


 それで、おねえさんが、「ねえ、ちょっと、待ってよ! そんなに速く走れないわよ!」と言ったら、男の子が振り返って、「ダイエット、ダイエット!」と叫んだ。


 それで、おねえさんが「もう、そんなこと言わないでよ!」とまた叫んだ。


 おねえさん、そんなに太っていなかったけれども。。。


 そんなことよりも、小学校に上がる前の男の子でも、「ダイエット」という概念があるのだという事実に私は驚いたのだった。


(クオリア日記)

連続ツイート2567回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。


学校が休校していることで、学びが遅れるとか、入試をどうしようとか、いろいろな議論が続いているけれども、やはり、ぼくには、そもそも学校がないと、あるいは授業がないと学びができないという前提がよくわからない。これは、学びの設計をする上で案外本質的なところだと思う。

文科省の検定教科書は、もともとものすごく薄い。それを一年かけてたらたらやっていくわけだけれども、教科書を自分で読んで、自分のペースで勝手に進んでいたら、果たしてどれくらいかかったのか、実験したことはないけれども(今思えばすればよかった)おそらくかなり時間を短縮できたのではないか。


国語の教科書をもらってきたその日に全部読んでしまうというのは多くの人がやっていることで、それくらい読み物としては薄いわけだけど、それを一年かけてやる、という学校側のペース設定に合わせる、という固定観念を子どもたちが植え付けられていることの弊害は、案外大きいと思う。


というのも、これは、単にいわゆる「主要教科」の話だけではないからだ。世の中に学ぶべきことはたくさんある。たとえば、ぼくはアニメをつくったことはないけれども、絵コンテを何百枚、何千枚と描いて、それを動画にしていく上で学ぶべきことは無限にあると思う。それも本当は小中学校で学びたい。


ガレージバンドのようなアプリで音楽をつくることを子どもの頃からやりたいという人もいるだろうし、Unityのような環境でゲームをつくってみたい人もいるだろう。つまり教科というのは無限にあるわけで、今の文科省の学校での学びの「テンポ設定」は明らかにちんたらしすぎで、余計なお世話だと思う。


こう書くと、頭のいい子、自分で学べる子はいいけれども、そうでない子は学校の授業が必要だ、みたいなことを言われる方がいらっしゃるけど、かなりあやしいと思う。むしろ、それぞれの子が、自分の興味のあることを自分のペースで学んでいったら、はっきり言って今の文科省のペース設定より速い。


学校が休校だと学べないとか、学習が「遅れる」とか、そういう問題提起自体が、学校というものを前提にした固定観念であるとしか思えない。ためしに学校をやめてしまって、すべての子どもがホームスクーリングで勝手に自分の好きなことを学ぶ体制にしてみたらいい。そうしたら、その結果に驚くはずだ。


以上、連続ツイート2567回、「学校に縛られない方がかえって自由に速く学べるというのはおそらく真実」をテーマに7つのツイートをお届けしました。

nounandemo
 
脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします。

よくある相談項目を集めて、回答した本です↓

『すベての悩みは脳がつくり出す』

1316回


.はぴねすさん


茂木先生、こんにちは。高3と小2の二人息子が居る母で、DVサバイバーです。
10カ月前に、夫に母子で家を追い出されて、実家の親等からの支配もあり、脱出後は、本当にサバイバルでした。助けてくれたと思った職でも、破産詐欺に巻き込まれ、色んな機関に相談に行きながら、母子で回復して来ました。
コロナ禍以前に、非常時生活が続いていたので、コロナ禍になってからは、世間よりも母子共に動じない状態でした。
大分前になんでも相談で、コメント欄に、行政書士の方が、「行政書士として、困ってる人のパイプ役になれるかもしれない」と書いてくださっていたのですが、私の先々の目標も、行政書士としてパイプ役になることと、志しができました。ありがとうございます。(色んな相談機関に行った中で、行政書士の方が、人権を尊重した上で、できることできないことのアドバイスが、最適だったと感じたからです。)
前置きが長くなってしまいましたが、なぜ(DVも含めた)いじめが起きるのか、沢山の本を読んだ中で、大人になるまでの前頭前野の発達が、関係性が大きいのでは?と思ったのですが…
発達時期に、良くない環境に居た(息子達には、面前DV等があった。)場合、それを発達時期後に回復していくには、何が需要、効果的と思いますか?

社会的に、いじめ、DV、虐待は良くないとまで知っている、啓発情報は多いですが、何が良くなくて、このようにした方が社会にプラスになる、とまで啓発情報が広まれば良いなと、思っています。

よろしくお願いいたします。


ご回答。


それは、大変な思いをされましたね。


どうか、平穏で幸せな日々がこれから続きますように。


ご指摘の通り、感情を司る扁桃体などの回路に対して、それをコントロールするのは前頭葉で、前頭葉の回路の働きには、その人の子どもの頃からの経験が非常に重要な影響を与えることが知られています。


しかし決して運命論ではなく、大人になってからも修正、補足は可能です。


広い意味での「教養」、さまざまな経験が役に立ちます。


人生でのいろいろな体験だけでなく、文学や映画、音楽などの文化の教養も前頭葉の回路を育んでくれるのです。


どうか、これから素敵な日々が続きますように。

nounandemo
 
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