月別アーカイブ / 2018年05月



 ぼくが大学で授業をするときは、とにかく内容を「最適化」しようと思っていて、自分が持っている中の最良の部分を投げたいと思っている。


 その「評価関数」が何なのか、ということを考えることは大切だな、と大阪大学に向かいながら思った。


 学生にとって、エピファニーになるようなことがあったらいいな、と思ってたくさん球を投げる。


 もっとも、何が届くのか、予想はつかない。


 自分の大学時代を考えても、先生たちがおっしゃっていたことの、本当に一部分だけが残っていて、後はすべて忘れてしまった。


 ただ、ある種のスタイル、というか型、attitudeは残るような気がする。


 ぼくのパワポは基本すべて英語だ。


 日本語で話すけれども、提示資料はすべて英語で、これも何らかの評価関数の最適化の結果だと思うけれども、それが何なのか、今度考えてみたいと思う。


(クオリア日記)

第594回。

スイさん


こんにちは 初めまして

大学生 理学部 女です

茂木先生のブログを長く読んでいますが質問するのは初めてです。


ここ1年、父に対してだけ息をするように嘘をついてしまいます。

父は厳格で、私(おそらく他の家族も)はいつも怖い思いをしています。3年ほど前から父に叱られると過呼吸を起こすようになりました。

そんなわけで父に何か聞かれると反射的に嘘をついてしまいます。銀行から下ろしてきたお金の額とか… 全く嘘をつかなくていい場面でも嘘をついてしまいます。当然嘘はバレるので、叱られるのですが、それでも嘘をついてしまいます。

言い訳すらも思いつかないうちに、本当に息をするように嘘をついてしまって苦しいです。

これはもう脳に染み付いてしまったのでしょうか。俗に言う虚言癖?なのでしょうか!

父と上手く付き合っていくヒントも教えてほしいです…



ご回答。


「嘘」をつくというよりは、事実Aよりも、お父さまを怒らせない、より受けがよいと思う仮想Bを伝えているのだと思います。


スイさんの中で、お父さまを前に、事実Aから仮想Bへの変換が急速に行われているわけです。


スイさんが、そのことについて良心の呵責を感じられているのはわかります。一方、上のような意味で、それは一つの「適応」でもあるわけです。


ここで注目しなければならないのは、この変換は、スイさんが持つお父さまの「内部モデル」に基づいているということです。そして、この内部モデルは、お父さまそのものではありません。


厳格な、こわいお父さまかもしれませんが、それだけではないはずです。弱いところや、やさしいところ、いろいろあるはずです。


一番良いのは、お父さまの内部モデルを変えること。


その一つのきっかけとして、たとえば、お父さまのお友だちとごいっしょの時間を過ごすなどは良いきっかけかもしれません。お友だちといっしょだと、全く別の側面も出てくるはずです。


家族だけだと、お父さまのある特定の側面だけが出てきてしまうのかもしれませんが、他の文脈にいることで、別の部分も出てきて、そのことでお父さまという人間がより全体からわかるように思うのです。


厳格なお父さまという「三日月」が、「満月」になりますように。

nounandemo
 
脳なんでも相談室へのご相談は、https://lineblog.me/mogikenichiro/archives/1294423.html のコメント欄までお願いします。

よくある相談項目を集めて、回答した本です↓

『すベての悩みは脳がつくり出す』



この前、靴を脱いで床を歩き始めた瞬間、「あーっ!」と思った。


かかとが、ひんやりと、冷たい。


そうなんだろう、と思って見たら、やっぱり、靴下がやぶれて、大きな穴が開いていた。


夏など、靴下がやぶれたところが直接床に接すると、ひんやり~としていて、情けないやら、気持ちいいやら、複雑な感じだ。


気づいたときの、思わずへなへなしてしまうような、あの感触が好きだ。


身体性に穴が開いたような。


その靴下とは、もうお別れ。


さようなら、と捨てながら、なんとはなしに、ひんやり~の感触が名残惜しく、しばしば佇んでしまうのである。


くつした穴.png

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