走っていたら、木陰に、サトキマダラヒカゲがいた。
子どもの頃、この蝶は「キマダラヒカゲ」と呼ばれていた。
それが、標高のやや高いところに生息するものと「別種」ということになって、それぞれ「ヤマキマダラヒカゲ」(高地)、「サトキマダラヒカゲ」(低地)に分裂したのである。
蝶に興味がない人にはどうでもいいことだろうが、子どもの頃から蝶が好きだった私にとっては、ソ連が崩壊したくらいのインパクトがある。
それで、何となくまだ納得していない。ヤマキマダラヒカゲとサトキマダラヒカゲはとても似ていて、判別は難しく、別種というのはそれなりの手続きを経て認定されたとしても、まだ「同じ」くくりのような気がしてしまう。
似たようなものとしては、「キチョウ」がいる。
これも、子どもの頃は単に「キチョウ」だったのに、いつしか、本州にいるのは「キタキチョウ」となり、南西諸島にいるのは「キチョウ」と別種になった。
この、「キチョウ」と「キタキチョウ」の区別も、なんだか納得行かない。外見による判別は、こちらも困難である。
もともと、「種」というのは生物的根拠があると同時に人間の認識の問題でもあるから、仕方がない。
そんなことを、ランニングの途中で「サトキマダラヒカゲ」を見た後で、考えていた。
そして、心の中では、やっぱりキマダラヒカゲだと思ってしまうのである。
蝶に興味がない人にはどうでもいい話を、すみません。。。。。
「サト」や「キタ」がつくかつかないかの問題なのです。
(クオリア日記)