サインを頼まれると、何か絵を描く。
なぜそうなるかというと、恥ずかしいからである。
今まで100種類くらいの絵を描いてきていると思うけれども、いちばん最初に描いていたのは木だった。
最初はいろいろなかたちをしていたけれども、次第に、下のようなものに落ち着いた。
そして、幹の部分が、私の名前の頭文字の「M」に似ているので、そうか、そうやって自分のイニシャルを描いているんだ、と自分で納得するようになった。
ほんとうは、自然発生的で、偶然なのだけれども。
この木に、鳥をとまらせることもあった。
最近は、他のものを描くことが多く、木を描くことはむしろレアになっている。
サインの絵にも、流行のようなものがあるのだ。
深い心理のどこかで、何かが変化しているのだろう。