月別アーカイブ / 2017年09月



空港にいったら、制服を着た中学生たちがいっぱいいた。

ああ、修学旅行なんだな、と思った。

お昼だったので、ラーメン屋さんに入った。
ぼくは基本は味噌ラーメンだが、ときには醤油ラーメンも注文する。

あの、まろやかな食感を舌でさぐりあてるのが好きなのである。

ラーメンが来て、食べていたら、さっきの中学生たちが5、6人で入ってきた。

食券を先に買う店だから、注文を決めて、テーブルを探しに来たのだろう。

どこに座ろうかとか、座っていいのかとか、みんな戸惑っていて、ようやく座ったけれども、なんだか落ち着かない感じで、おそらく、こうやって、空港とかで、みんなで、生徒だけでラーメン屋に入る経験ってあまりないのだろうな、と思った。

そうだよなあ。だから、修学旅行は、非日常なんだよなあ。

初めてのことを経験している脳の活動は特別である。

中学生たち、テーブルに座っても、そわそわしている。

ラーメン、来い来い! とからだたちが言っている。


なんかいいな。

ラーメンの味も、少ししょっぱい鮮烈さが加わったようであった。

(クオリア日記)


ラーメンこいこい.png

第365回。

ともこさん

茂木先生

受験勉強をしてて思ったことを友達に聞いて
友達に教えてもらった事がどこか腑に落ちなくて、またここに来てしまいました。

わたしは、茂木先生をはじめとする学ぶ事が好きな人に憧れています。
その事を友人に相談したら、そういう人達は元々、そういう脳なのだからともこちゃんが勉強を好きになろうと努力したところで、きっと時間を無駄にする事になると思うよ。と教えられて、やっぱりわたしは勉強好きになるのは無理なのかなぁと。もしかして原点を辿れば、勉強そのものを好きになりたいのではなくて、劣等感が積み重なってこういう考えに至ってしまったのかなと思うところもあります。でも、原点はどうであれ、今、勉強好きになりたいことは事実です。ここでやっと質問に入りますが、
こんなわたしでも、勉強(学ぶ)ことに幸福感を得ることはできますか?また、そうなるにはどうしたらいいでしょうか。この2つをお尋ねします。

よろしくお願いします。

ご回答。

もちろん、できます。そのお友だちは、この点については間違っています。

何よりも大切なのは、小さな成功体験です。
何かに取り組んで、それでうまくいった、その報酬が与えられることが、脳の回路を変えて、さらに学びの楽しみを増してくれます。

具体的には、まず、何らかの対象に「興味」を持つこと。
次に、その興味を持った対象に対して方法論を持ってアプローチすること(ネットで調べる、本をよむ、誰かにきく、自分でやってみるなど)が大切です。

ここまでは「努力」ですが、それでは、成功体験とは何でしょうか?
誰かに認められたり、社会的に成功することでしょうか?

実は、学びのいちばんすばらしい点は、成功体験を自分で完結させることもできることです。
学んでいて、「ああそうか」とわかったり、「なるほど」と気づくこと自体が最高の成功体験になるわけですから、自分自身の中で、歓びを生み出すことができるのです。


ですから、よき学びの人は、すべて、独学者(autodidact)です。

独学の方法を身に着けた人は、一生幸せになれます。まぜならば、学びに終わりはないからです。


nounandemo
 
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『すベての悩みは脳がつくり出す』

裏通りを歩いていたら、小学生たちが下校していた。


同じ学年の男の子たちがいっしょに帰っていた。おそらく、小学校5年生くらいだと思われる。


そしたら、一人が、もうひとりに聞いている。


「お前、何月生まれだっけ?」


「5月だよ。じゃあ、お前は?」


「6月生まれだよ。お前、5月生まれなんだよな?」


「ああ、そうだよ。」


「じゃあ、おれより、おじさんじゃん。おい、あいつ、おれよりおじさんだ! おじさん、おじさん!」


聞いていた私は、思わず、「あのねえ」と思ってしまった。


ほんもののおじさんは、ここにいるの!


君たちよりも、ずっと先に生まれているの!(笑)


たった一月の差で、「おじさん」だと言い合う小学生たち。


その、小さな差異にも敏感なみずみずしい感性を好ましいと思いながら、街をさらに歩いていった。

(クオリア日記)

5月6月.png

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