チクセントミハイの「フロー」は、最高に集中した状態である。集中しているが、リラックスしている。そして、最大のパフォーマンスを発揮する。
フローにおいては、時間の経過を感じない。自分を忘れる。また、行為自体が報酬となる。このパフォーマンスをしたら成績が上がるとか、メダルがもらえるとか、行為を手段としてとらえるのではなく、行為自体が目的となるのである。
フローに至るためには、今直面している課題と、自分のスキルが一致しなければならない。課題がスキルよりも高ければ不安になる。課題がスキルよりも低いと、退屈する。自分のありったけのスキルを駆使して、全力でやってようやくクリアできるくらいの課題がよい。
さて、フローとほぼ同義で使われることの多いのが、「ゾーン」という言葉である。フロー=ゾーンというとらえかたが多いが、両者を区別するのも有益であるように思う。フローの最高の段階を「ゾーン」と呼ぶことにしてはどうか。
最高に集中して、しかもリラックスしているフローは、比較的日常的に起こすことができる。一方、アスリートのキャリアの中でも、2、3度しか訪れない、最高のメンタルを、「ゾーン」と呼ぶことにすると、スペクトラムが正確に記述できるように思う。
スピードスケートの選手が、自分が滑るべきルートが光で見えるように感じるといった、最高のメンタルは、トップアスリートでも生涯に2、3度しかなく、日常的に起こるフローとはまた一段階異なる状況ではないかと思われる。それを「ゾーン」と呼んではどうかと思う。
用語をどう使うかということはコミュニティの中で同意していかなければならないから、ここでの提案は私的なものに過ぎないが、日常的に入りうるフローと、滅多に起こらないゾーンという区別をすると、目指すべきものがさらにはっきりするように感じる。
コメント一覧
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その状態に【フロー】という名前があることを最近知りました。
茂木先生のブログでその内容がどういうものであるのかが、言語化されていたので、ナルホド!!と、すごくスッキリできました!
ありがとうございます!✴
(〃^ー^〃)
体験すると絶対不可能だと思っても信じる事が出来るのよ。そして自信を持てるようになる。平凡な普通のワタシが出来たのだから皆さん体験出来るハズさぁ。茂木先生のコメント素晴らしいです。💖
風呂と象の世界の住人なり。(・ิω・ิ)
フロー状態を昨日体験した私です!