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うちのシェアハウスの水圧は弱かった。

今、思い出しても弱い。かなり弱い。相当弱い。尋常なくよわい。いや待てさすがに思い出補正で盛っているんじゃないかと、当時のメンバー3人に聞いてみたが、やはりどう考えても弱かったようだ。

普通、生まれも育ちも違う4人の人間が一つの意見に収まることは中々ない。

確か、SMAPのセロリでも同じことを言っている。

山崎まさよしのセロリもそうだったはずた。

夜は静かにしよう、の夜が20時からなのか、22時からなのかでも揉めたし、服の干し方ひとつとっても、こだわりが感じられた。

そんな僕らだが、うちのシェアハウスのシャワーに関しては「弱い」で満場一致。


紛うことなく「弱い」となった。




以前、あらゆる現状を肯定する取り組みをしていたと伝えたが、


そんな僕らでさえも






「この水圧は悪さ」

と口を揃えた。



そう。冬のシャワーにおいて、最も大事なのは、シャワーの温度ではない。水圧なのである。

水圧の弱さは万病の元といっても過言ではない。

具体的に説明しよう。

まず、どう足掻いても体の全てにお湯がかからない。常に一部分が寒いのだ。これがもう笑っちゃうくらい辛い。


BUMP OF CHICKENの曲で「温か過ぎて寒気がした」という歌詞があったが、うちは「寒すぎて笑う」である。


特に頭を洗う前には、相当体温を上げてからでないと、冷気に持ってかれる


よしよしよしよーし(頭を洗う前)

  ジャージャー

よしっ!!!(水流に頭を入れる)

  バシャッ

うぅ、うぅ、ううう(体を震わせて頭を洗う)

  ワシャワシャ






いったいなんだこれ?

俺は何をしているのだ?





地獄であった。

しかし人間は、目の前の困難を、工夫と改善によって乗り越える生き物である。


僕らもまた、各々の工夫をもって、このシャワーと向き合うことにしたのだ。



まず風呂に入る前にシャワーを流す。この時点で服は着たままだ。まだ脱がない。それは初心者がやることである。温度を最大にし、十分な温度のお湯が出たら、ようやく服を脱ぐ。

そして、すぐさま背中をシャワーに向けた状態で、滴るように流れて来るお湯の中へ。頭をできるだけ下にし、体全体を丸め、後頭部から背中全体へ湯をかける。


これが最も体全体を即座に温めることができる方法だった。



笑ってやってくれ。

25に近い男がこんなことをしていたのである。


 
また、他にも日中に浴びる、ランニングや筋トレをした後に浴びる、大学のシャワーや近所の銭湯を使う、さらには彼女の家や実家に避難するなどの手法も取られた。


しかし、時にはどうしても真夜中に、寒々としたこのシェアハウスのシャワーを使う必要に迫られることもある。



そんな圧倒的な現実を目の前に、僕がすがるようにして頼ったこと、



それは、
 
歌ってごまかす


という手法。




は歌った。

情けないほど大声で。
ひどい表情で。









うぅー、頑張ってみるよー