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僕は驚いた。非常に驚いた。これほどまでに驚いたことはないかというくらい驚いた。


気づけば「驚いた。」と口に出してしまっていた。それくらい、驚いた。驚愕した。驚異だった。とってもサプライズである。


何がってもう、「掌」である。

そう。タイトルにもある通り、ミスチルの「掌」という歌詞にサプライズしたのだ。(これだと僕が単にお祝い事をしたみたいだが、そういう文脈じゃないことはもちろん理解できているレベルの読者だと信じている)

https://www.youtube.com/watch?v=42JXfCgYfiU



てー!(ここ、強く)のひらにぃ〜♪


から始まるあの歌だ。これが凄いわけだ。とても驚く。とても驚愕。とってもベリーサプライズである。


まず注目して欲しいのは、サビの部分である。

抱いたはずが突き飛ばして
包むはずが切り刻んで
撫でるつもりが引っ掻いて

という内容。想いが強い故に、相手を傷つけてしまうこのワンシーン。

そしてそれなのに


愛、求める

と続く。




無茶苦茶だ。


抱いたはず「が」突き飛ばして



と言っている以上、相手を傷つけていることを自覚しているのである。



場所はどこだろう。多分、川沿いの土手だ。自転車に乗っているおじさんが横を通りすぎる中、夕日に照らされたあの子が思わず愛おしくて、抱きしめようとした。


でも、なぜかよくわからないけど、突き飛ばしていた。彼女は土手を勢い良く転げ落ちていく。おじさんは少し離れたところ自転車を止め、「大丈夫だろうか?」とこっちを見ている。



そんな状況になっているのに関わらず、


「彼」は愛を求めるのである。つまり、反省をしない。


次会った時も「いやぁ、この前はごめんごめん。抱いたはずが突き飛ばしちゃってさ。」と何事もなかったかのように言ってくるだろう。


「ははは、まいっちゃうよね。」と笑うはずだ。「いや。っていうかさ、突き飛ばした後、なに普通に帰ってるの?」という彼女のツッコミも、おそらくはどこ吹く風である。もはやサイコパス。





そんな「彼」は怒られても反省をしない。相手を変え、愛を求める。


「彼」に自分の力を弱めるという発想は生まれず、次からは慎重に抱きしめようという考えはよぎらない。変わることなく、相手を突き飛ばし、切り刻み、引っ搔きながらも、それでも同じことを続けてしまうのである。



アホか。学習能力ゼロか。むしろ悪いのは相手と捉えているフシすらある。相手の力が弱いから突き飛ばされてしまうのだと。



多分「彼」は末っ子だろう。常に上の兄弟という「自分よりも強い相手」がいたのだ。挑戦者として人生を歩んできたのである。


逆に、下の兄弟がいれば自然と「力の弱い相手とどうやったら対等に遊べるか?」と考えるようになる。ハンデをつけたり、わざと負けてあげたり。自分と対等であることを相手に求めることはない。




「彼」は彼女に筋トレを求めている。俺の突き飛ばすのを耐えろ、耐えてみせろ、と。


こっちの力が強いからお前も強くなれ、そしてここでまた会おう、というわけだ。好敵手か否かという判断でしか目の前の人間を見れないのかもしれない。

強いライバルを前にワクワクしてしまうタイプというやつだろう。




そんな脳天的でサイコパスで、ムキムキの「彼」も、2番の歌詞で絶望する。


夢見ているから儚くて
探すから見つからなくて、
欲しがるから手に入んなくて

途方にくれる。



のだ。それはそうだ。そんな簡単に好敵手など見つかるわけない。




突き飛ばして切り刻んで引っかいて、それでもこちらに向かってくる好敵手。


夕日の沈む土手の下、殴り合った挙句、「やるな。」「お前もな。」と爽やかに握手をする。

土手の上からは自転車に乗ったおじさんがいて、「若いねぇ。」と呆れながらもどこか懐かしそうに目を細めている。そんな関係性。



・・など、滅多にない。


どうしたって殴られた頬は痛み、






「なんでこいつ、そもそも突き飛ばしてきたん?」
と向こうも考えるはずだろうから。険悪になるに決まっている。



さらに歌詞は続く



どこで間違ったかなんて
考えている暇もなくて


と。


多分最初から間違っているのに気づかない。

自分の力の強さを自覚していない。悲しき殺戮モンスター。


自己と世間との認知不協和が招いた悲劇なのである。

そんな彼の元に、ルール無用、夜な夜な非合法に執り行われている異種格闘技世界戦への招待状が来るのは、また別の話。ごめんなさい妄想です。





今よくよく聞いてみたら、最初の「てー!」はそこまで強く歌ってない。