温室のように湿度を閉じ込めてしまったから

一生空間がある(透過光と違って)


「モノが人間の目を気にしている」


高度経済成長期にはモノと人の間に親密な関係があり、エネルギーを交流していた、この写真からそんな気配を感じ取ることができる。


それに比べると現代のモノは、だいたい神を真似て作った折り紙みたいでほとんどイメージを纏っていない。平坦である。クセがない。基本的に黙っている。

電子犬AIBOの残骸がきっと死体だとしたら、一度も生まれてきていない。そうやって一旦意識すると何がどの程度魂を帯びているかすぐ分かる。娯楽の為に造られたモノ、玩具はやはり人間の目をすごく気にするのでいつも魂が宿りやすい。こっちをちゃんと見ているし、時に寂しそうであったり、心を反射してキラキラしている時もあるし、こちらが真面目に構えていると妙に神妙な面持ちで物体のふりをしていることもある。

部屋の中を少し見渡すと、特に死んでるモノはCDで、これでは買う人が少なくなって当たり前だ。なぜならほぼパソコンにデータをスキャンされて役割がなくなるのでなぜかデータが空間に突出しているような感じであって、魂が外周のなくなったドーナツみたいになっているからだ。音楽はどこにあるんだろう。分からないが空間が必要だ。私は生きているCDが、ジャケットがあり歌詞カードがあり版のデザインがあり音楽があり、両手に収まるくらいの折りたたみ式で展開されるCDが好きなので最近ポータブルCDプレーヤーを探している。電気屋で見つけてすぐに買わなかったのは、そこに売っているCDプレーヤーがやっぱりなんだかデータを取り出すだけの装置のようなデザインをしていてつまらなかったからだ。