みなさん、こんにちは


三宅あみ です


昨日は奈良県吉野町からお越しの方々と
久しぶりの再会をしました。
そこで聞くお話しはとても興味深く、
それは自然と共生してきた日本人の
根源的な精神に関わる話でした。
消えゆくそうした感覚を受け継いだ人々の
リアルな生き方です。
◆みなさんは"山守" という職業を知っていますか?
山守とは、山林を管理し
木の手入れをする人たちのこと。
何代にも渡る山林所有者との
信頼関係によって成り立つ職業です。
彼らのものの見方は100年単位と
非常に長いスパン。
今日この木を切り出すことができるのは
何百年前に仕事をしてくれた
先人たちのおかげ。
「ミキ」という、御神酒を表す三本線
「ヨキ」という、太陽・土・水・空気
を表す四本線
この二つが入った斧を手に、
危険な作業が滞りなく終えられるよう
山と木と先人たちへ感謝しながら、
一本一本の木と向き合います。
他の産地の倍の時間をかけながら
育てられる吉野杉は、
年輪の密度が高いので、
腐食が少なく長持ちするそう。
また夏木と冬木のバランスがよいため、
加工しやすく後の変化が少ないんだとか。
しかし、後継者の減少により、
山自体の少子高齢化も進んでいるそう。
山を守る人たち、加工する人たちの
手間暇をかけた品質の良いものには、
相応の価値を見出して、
何百年と続いた技術と精神を
受け継いでいきたいものですよね。
◆近頃、山の精・川の精について
考えていた私は聞いてみました。
作業前に祈りを捧げる以外にも、
山小屋を建ててはいけないような
神聖なエリアはあるのですか?
やはり山の中には
水脈が通っている場所など、
手出ししてはいけない場所があるそうです。
そして人がなんとなく
気持ちいいなと感じる場所は、
水脈が通っていたり
風が通る場所だったりするそうです。
パワースポットと言われる場所は
ぽこんと現れる気圧の低いスポット
なのだと科学的に証明されているように
そうしたことを科学のない時代から
人間はしっかりと感じ取っていたのですね。
◆松岡正剛さんは
記紀万葉の言葉を読み解くことで
現代社会の問題解決の糸口を探っています。
吉野の方たちはまさにその、
読み解くに値する精神をもって生きている。
先人が感じ取り教えてきたことを、
今この人生で体現している。
ヒントがたくさん隠れているように
思えてなりません。
◆そんな大切なことを含めて、
吉野の方たちは
積極的なPR活動をされています。
他の自治体と協力して、
重層的な魅力を生み出し、
人の流れや物の流れを作ろうとしています。
どこの地域も四苦八苦していることだと
思いますが、彼らは近い将来に
成功モデルを作ってくれるはずです。
各自治体のみなさんにも
続いてほしい限りです!