佐藤浩市さんとは大河ドラマ「新選組!」で初めて仕事をした。それまでは、荒ぶる感じが好みでなく、僕とは縁のない俳優さんだと思っていた(大河の時はプロデューサーの意向)。ところがお会いしてみると、実際の佐藤さんは知的で茶目っ気があって、照れ屋で、たまに見せる人懐っこい笑顔がやけに眩しい。なんというギャップ。この面白さをぜひ皆さんにも知って貰いたいと思い、僕は佐藤浩市主演で「ザ・マジックアワー」を作った。

 歳も近く、生まれ育った環境も似ているせいか、彼と一緒にいると妙に心が通い合う瞬間がある。宣伝で一緒にバラエティーに出ても、彼の集中が切れて飽き始めた瞬間が手に取るように分かる。僕の集中も同じタイミングで切れるからだ。友達が極端に少ない僕にとって、佐藤さんは珍しく、プライベートでも相談に乗ったり乗って貰ったりする仲。どこか僕にとってプチ「ソウルメイト」的な存在だ。気持ち悪いですか?あちらがどう思っているかは分からないし、聞いたこともないし、聞くつもりもないけど。

 ここだけの話、今回、佐藤さんには衝撃の女装シーンがあるが、あんなに彼が楽しそうに現場に現れたのは、初めてだった。

 さて、この映画には実はもう一人、僕のプチ「ソウルメイト」の俳優さんが出ている。斉藤由貴さんだ。昔、僕の舞台に出て貰ったことがあり、それ以来のお付き合い。別に一緒にご飯を食べたりはしないけれど、僕のエッセイの解説を書いて貰ったり、彼女のライブにゲストで出たりと、浅く長く関係を保っている。今回の現場で久々にお会いしたが、まるでそんな感じはしなかったし、なんとなく、昔一緒に暮らしていたんじゃないかと思うような、安心感を覚えた。

 由貴さんは最高のコメディエンヌだ。放っておくと、カメラの前でいろいろ面白いことをしてくれるので、僕は嬉しくて仕方ないのだが、そういった部分は当然本筋とは関係ないので、だいたい編集でカットされてしまう。カットするのは僕なんだけど。ぜひとも、由貴さんとは、テレビでも舞台でももちろん映画でもいいから、彼女の可笑しさを全面に出した作品を作ってみたいものです。