月別アーカイブ / 2017年11月

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阪急電車の技術者として永年勤め、定年後はや15年が経とうとしています。

主に建築関係の仕事だったので、いろいろな部署でさまざまな建設作業に携わった。なかでももっとも印象深いのは、阪神淡路大震災の復興のために昼夜を分かたず奔走した日々のことです。

尻込みしていたら仕事にならないので、危険は承知で壊れそうなビルの中にも入っていったし、作業中に突然大きな余震が来て、ホームの柱に抱きついて耐えたことも懐かしい。

今日のこの写真は、嵯峨野に吟行に行った帰りの十三駅、毎時ジャストの時間に、三線(京都線、宝塚線、神戸線)の特急、急行が同時に梅田駅を出発するので、十三駅のホーム端に立っているとこの風景が見られる。

吟行疲れを覚えながらなつかしく眺めていると、永年の勤務中のつらかったこと、うれしかったこと、さまざまなシーンが走馬灯のように浮かんでくるのです。

短日や滲みて点る信号機   みのる

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京都には紅葉の名所が数多くあるが、私の一押しは嵯峨野の祇王寺だ。

阪急電車の嵐山駅を降りて渡月橋を渡る。下を流れる桂川には冬鳥たちが遊び、屋形船が往来している。
 
しばらく大通りを進み、横道に入ると竹林の小径が続いてやがて野宮神社につく。ここは良縁、子宝の神様なのでいつも女子で賑わっている。野の宮を出て、道しるべを辿りながら嵯峨野の小径を進むと、常寂光寺、落柿舎、二尊院、とつづき、やがて、お目当ての祇王寺が見えてくる。

どこの紅葉が一番きれいだ…とかいうことではなく、ただ無為に歩いているだけで癒される。嵯峨野にはそんな雰囲気があるので好きなのだ。道中には茶店もたくさんあって、野点傘をたてた緋毛氈床几があるとちょっと一服してみたらし団子をいただく。

祇王寺は竹林と楓に囲まれたつつましやかな草庵で、『平家物語』にも登場し、平清盛の寵愛を受けた白拍子の祇王が清盛の心変わりにより都を追われるように去り、母と妹とともに出家、入寺した悲恋の尼寺として知られている。

広げみる嵯峨野の絵図に時雨けり  みのる

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昨日、テレビのニュースで清水寺など京都の紅葉の名所が放送されていました。それは、紅葉見物する人たちのマナーの悪さに困っているというテーマの報道番組でした。

まだ、枝に付いている紅葉を栞にするためにちぎりとっていく人、美しい苔庭を保護するために立入禁止の結界を設けているにも関わらず、無視して侵入し苔を踏みつけて紅葉の写真を撮ろうとする人、危険な清水寺の高欄に凭れて紅葉を背景に記念写真を撮ろうとする人などがインタビューされていました。

全員が、いけないことと自覚しながらも、自分だけならという安易な行動をしているのが現実のようです。吟行で自然と関わることの多い私たち俳人も例外ではないと深く反省しました。

美しい自然やお庭、古代から大切に守られてきた建物や造形物等々を、あとなる人達へ綿々と継承していくためにも、皆が協力してルールを守ることの大切さを学びました。

法紅葉大山門を荘厳す    みのる

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