【森川さんの案山子〜かかし〜】
森川大樹郎(65)
集落のリーダー的存在。
妻と2人暮らし。
昔、父が作ってた案山子をイメージして作成。スタンダードな作りだが四万十川の川下りで使うイカダにも使われる頑丈な四万十竹を使用。
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【今井の案山子〜かかし〜】
今井健司(50)
10年前に妻に先立たれ男一人で農業を営む。子供はいない。曲がったことが大嫌いな男。頑固すぎるところが短所と言えば短所。
自分をイメージして作った案山子。藁を太めに束ね力強さを演出。着せてる服は長年着用してたもの。
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【千の案山子〜かかし〜】
千 昌志(29)
東京の一流大学を卒業後、大手広告会社に就職。億ションを夢見て働いてたが父親が体調を崩し、母親から戻ってきてくれとお願いされ家業を手伝うことに。頭脳明晰。口数少なめ。
案山子に着せてるのはサラリーマン時代に着てたスーツ。
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【馬場の案山子〜かかし〜】
馬場美智代(31)香(27)
姉妹で農業を営む。
女性ならではの繊細な農作業は集落の中でも期待のホープ。とにかくおしゃべりが好きな姉妹。
案山子は姉妹のトレードマークのオーバーオールを着用。姉妹曰くこの案山子は男性。
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【三浦の案山子〜かかし〜】
三浦登志郎(66)
息子2人娘1人。孫が7人。息子達は皆、四万十市を離れているが休みを利用してはよく帰省する。
孫にとにかくデレデレ。孫の言うことは絶対。
案山子に着せてるのは孫が持ってきた衣装。色々着用させ過ぎて渋滞が起きてる。案山子にしては派手過ぎると息子達に注意されるも聞く耳持たず。
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森川、今井、馬場、千、三浦はそれぞれ作った案山子を立て豊作を願った。

だが
その願いもむなしく
数日後、稲作が鳥の被害にあってしまう。

「やはり今年もダメか・・・」
落胆する町の人達。


森川は公民館に案山子作りに協力してくれた4人を集めた。

「こんな神頼みに付き合わせて申し訳なかった」

頭を下げる森川
すると4人が笑い出す

「そんな深々頭下げたら腰痛めるで!若こうないがやき森川さん」

「こうやってみんなで力合わせるって楽しいんだな。いつもは自分の田んぼのことしか考えてなかったからよ」

森川を責める人なんて誰一人いなかった。それを知って込み上げてくる涙をぐっと堪える森川。
いい歳して泣く姿を見られたくないから。


「しばらくこの案山子立てときませんか?この集落に仲間が増えた気がしてすごく良いと思うがです」

馬場の提案で案山子はしばらくそのままにしとこうとなった。

ある日の夜、森川は変な夢を見る。
内容は集落の近くにある神社の奥に入っていくと見たことない小さな神社があり、そこで森川が豊作を祈願する夢だった。

朝起きてその夢のことを妻に話すとその夢で見た場所に行ってみないかと言う。

「この町に住んでもう長いけどそんな神社は見たことないきね」
「行くだけ行ってみんかえ?散歩気分で」

そう言われ2人は夢で見た場所に行ってみた。神社の奥に人が立ち入るには不気味な茂みが。

「おじいさん、夢でみた場所はここらへんかえ?」
「この茂みに入って行った気がする」

頼もしい森川の妻はその茂みに入って行く。あとを追うように森川も入っていく。身長ほどもある草を掻き分けて進む2人。

やっと茂みが落ち着いた
その目の前の景色に森川は勝手に口が開いていた。

「あらま、夢で見た神社が・・・ある!」

  《続く》

場所は高知県の四万十市。この町は日本最後の清流と言われる四万十川が流れる恵まれた自然の中にあった。稲作などが特に盛んなところで、特に『かおり米』というお米が人気。だがここ数年は害虫や台風などの被害で満足いく収穫ができていない。そこである集落では昔から伝統とされてて30年以上やってなかった案山子(かかし)を立てて豊作を願う「案山子様の舞」を再開させようという案が出た。
提案したのはこの集落の長老でありリーダー的存在の森川大樹郎(もりかわだいきろう)だった。
その提案に妻に先立たれ男一人で稲作をする今井さん。
姉妹で田んぼを所有してる馬場さん。
東京の一流広告代理店で働いていたが親が病で倒れたのをきっかけに会社を辞め稲作の手伝いをする千(せん)さん。
孫にデレデレで孫の言うことは絶対の三浦さん。
この4人が賛同してくれた。
それぞれが各々の案山子を作った。
今井さんは自分をイメージした堅いのいいこれぞ男と言わんばかりの案山子。
馬場さんは女性ならではの可愛さが際立つオーバーオールの案山子。
千さんは東京で着てたリクルートスーツを案山子に身につけさせた。
三浦さんは孫が用意した派手な衣装を着せてみた。その様はジャニーズのコンサートの衣装のような仕上がり。
森川さんは昔、自分の親父が作ってた案山子を思い出すように仕上げてみた。

それぞれ五者五様の案山子が出来上がった。

「今年こそ豊作を。。。」

そんな希望を込めてそれぞれ田畑に案山子を立てていった。

《続く》

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