Makuakeで起案してるガジェット系の案件で話題になっているツイートを発見した。



中国で作られた食洗機がバカ売れしてるのだが、ツイ主さんが様々な問題点を指摘してた。


という訳で夜9時に寝てしまい3時に起きてしまった俺が本のステマも兼ねてちょっとだけ解説する。


■売る側の理屈。

自著「推される技術」にも記載したが、海外(特に中国)のキワモノガジェットや家電などを日本の代理店が現地のクソデカ展示会に出向いて、日本での販売権をゲットし、国内で販売するというビジネスがある。そして代理店は国内のクラウドファンディングプラットフォームに起案し商品を販売するという図式だ。

細かい契約はケースバイケースだから言及しないけど、例えば日本の国内でクラウドファンディングを使って販売するメリットとしては、

・事前予約購入になるのでCFで販売された分だけ仕入れて売るので過剰在庫を抱えるなどの商売的に負ける可能性が下がる。
・需要を含めたマーケティングが容易。
・事前にプラットフォームから売上が入金されるので取りっぱぐれがないし、一括で発送できる。

というメリットがある。(他にもあるけど割愛)

んでMakuakeで起案する場合は、手数料が20%取られる。

日本のCF手数料の高さは一起案者としては「ふざけんな?」だが、実際にプラットフォームで働いてみると「しょうがねえかな…」と思う部分も出てきた。キュレーターの育成や国内におけるクラウドファンディングの価値や地位向上、プロモーションなどコストがかかる割にはまだまだ起案者数や利用者数が少ない。

1億超えの案件が出てきたのは3〜4年前ぐらいで、2億〜3億クラスの案件はここ数年で見かけるようになった。(ちなみに初見の方に説明すると私は2018年のクラウドファンディングの資金調達日本一位っス)

ぶっちゃけメルカリぐらい利用者が増えればプラットフォームも手数料下げざるえないので、これからに期待って感じ。まだまだ日本はクラウドファンディングの発展途上国なのだ。

とまぁ前提的な事を書いたが、この手の海外発ガジェットのプロダクツには割と罠っつーか注意しないといけない事が多々ある。

前述の通り、代理店が現地のメーカーと契約して日本で起案するのだが、クラウドファンディングを使うとどうしても発生する壁がある。そうそれが手数料。

クラウドファンディングは集めた金を全部が自由に使える訳ではなく、さまざまなコストに充当されるのだが、

○クラウドファンディングのプラットフォーム手数料。
10~20%ぐらい。今回はMakuakeなので20%で計算する。
ちなみにこの中でカード決済手数料が含まれてる。

○消費税
10%。日本で商売すると逃げれない税(笑)

○発送費用。
梱包のダンボールやクッション材、送料なんかもここにインクルードされる。
ガジェットのデカさによって当然変わるが過去の経験値で言うと10%前後。
海外からの発送だったらより変動する。

この時点で大雑把に見積もっても40%がすっ飛んでく。
1億円集めても、こういったコストに4000万は消えてしまう訳ですな。ヒュー!

で、ここに商品の代金と、代理店の利益が乗っかる。

例えば中国で10,000円で売ってる物に、代理店の利鞘で20,000円乗っけて、30,000円で販売。
前述の必須コスト40%を乗っけると12,000円プラスされるので、42,000円になる。

これがクラウドファンディングにおける「おま国価格」の理由である。

言っとくが、代理店ビジネスを否定するつもりは毛頭ない。
ツイ主さんも書いてたけど、日本向けにカスタマイズしたり取説作ったり、サポート対応したりと、真面目にやられてるところは沢山ある。そういった購入者からは見えづらいコストが乗っかるのは当たり前の話なのだ。だって商売だし。

「海外では○○で売ってたのに日本向けはぼったくり価格だ!」

と言う意見を見かけるが、こういう理由な訳です。

そもそもピーキーなガジェット好きは国内で買わないで、現地のECサイトで見つけて現地の値段で買ってる人が多い。少なくとも俺の周りはそんな感じかな。騙されてもオウンリスク上等!な人が多い。

言い方悪いけど、「日本の情弱共の為に入手しやすく買いやすくしてるコスト」が乗っかってる訳。

■今回の論点

今回のツイ主さんの論点は、「商品ページに嘘書いてんじゃね???」である。

クラウドファンディングにおけるプロジェクトページはカタログであり、プレゼンの資料なのだが、初見でページに辿り着いた人のハートを掴むのに、まぁまぁ色々と盛る事がある。見え方見せ方を考えないとプロジェクトページを見る人に刺さらないからだ。

俺もその該当ページ見たんだけど、「盛りすぎwww」という感想を受けた。
盛りすぎっつーか「それ嘘ですやん」みたいな。

今回の件で個人的に一番興味深いのは、「プロジェクトページに嘘の記述がある商品を販売したら詐欺にあたるのか?」って部分かなと。しかも調達金額が2億超えてるし。どうなんだろうか。

あとこれプラットフォーム側もなんとかしなきゃいけない問題なんですが、基本的に起案者の言ってる事を信じた上でプラットフォームにプロジェクトを掲載すると言う性善説的で動いてる部分はあるんですよね。

「この商品の著作はウチのです!」

って言われても、その情報の裏を取る方法を知ってる人間がプラットフォーム内部にいる場合あれば、知らない人もいる訳で。

なので今回ツイ主さんが提言してる運営会社の「開発に何世代も重ねた」って部分の真偽は、プロジェクト審査の人の技量にもよるが、なかなか見抜けないんじゃないかなと。

ただMakuakeは審査基準など他の追従を許さない程厳しくやってて、周囲でも起案しようとしてリジェクトされた人いっぱい知ってまして、それぐらい厳しい所でもこういったケースは発生するんだなぁと。

大概のプラットフォームでは「なんか揉めたら当事者同士で解決せえよ」と言う利用規約を作っているので、よほどの大炎上があって株価や会社評価に直結しない限りはプラットフォームはこの手の問題には介入しないのでMakuake側がどう対応するのか興味深い所です。(前述の通り日本はクラウドファンディングの発展途上国なので、穿った見方じゃなくて、こう言ったケースの積み重ねの対応のトライ&エラーが大事だから。)

ちなみにイラストなんかもトレースされちゃったら、エロゲ屋歴20年の俺だってわかんないもん。以前にもあった。「これ明らかにイラストの構図パクってますやん…」と思い起案者に問い合わせしたら「これ私のオリジナルです!!!」って。こうなるともう白黒つけるのプラットフォームじゃなくて、裁判所なんで当事者同士で裁判してよねって話にしかならないのだ。


と言う訳でこの手のクラウドファンディングのプロジェクトで嫌な思いをしない為にも、注意すべきコツ(inガジェット編)は、

○商品画像をgoogleの画像検索してみる。
○製造国(大体中国だけど)のECサイトを探してみる。
○プロジェクト起案してる会社や団体を事前に調べる。
○twitterやSNSのアカウントがあるから調べる。
○少しでも疑問に思うことはプロジェクトオーナーに問い合わせる。
(問い合わせの対応が悪かったら支援絶対しない方がいい。)

あと一番大事なのは、この本を買って読む事だ。



クラウドファンディング起案する人も利用する人も、おそらくこんな役に立つ本はないんじゃないかってぐらい役に立つ情報(と中年経営者の悲哀)が詰まった一冊です。

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著者が言ってんだから間違いない!!!!