先日の新聞によると、角川書店が今秋、漢和辞典「新字源」を23年ぶりに改訂するとのこと。インターネットの普及で紙の辞書は売れず、経済的に改訂作業は難しい、つまりそこにお金はかけづらい状況だけど、文化の担い手として改訂すると、なかなか良い話で出版社の意地を感じますね。角川書店という出版社はいまや、ドワンゴというニコニコ動画なるいわば出版の対極的なものを運営する会社に買われた形ですが、そのことで結局、辞書を改訂する余力があるのなら、それは良かったということですね。
さて、漢和辞典ではないですが、私が使っている国語辞書は、奥付(出版用語で、最後のページの、発刊日や著書、発行者や印刷会社などの情報)をみると、1982年の発行とある、だいぶ古いものです。
この辞書は、私のもうこの世にいない姉が中学生から高校生の頃に使っていたものです。姉は長男を出産後に体調を崩し26歳で亡くなったのですが、当時私はまだ大学生でしたので、正直なところ姉がどんなことを考えていた人間なのか、ある意味知りません。ただ、この辞書には、その膨大な言葉のところどころに、青い丸が付けられている、つまり、姉の心の琴線にふれたらしき言葉がわかるのです。
本当にところどころなので、そのすべてを拾えてはいないのですが、それらを少し書きだしてみます。
【金釘流 カナクギリュウ】義理にも上手とは言えない漢字の書き方
【セニョリータ】親しみの気持ちを込めて、未婚の女性に呼びかける語
【翡翠 ヒスイ】①鳥のカワセミの異称。②カワセミの羽の色に似た緑の鉱石
【ドン ファン】女を漁って歩く男
【微醺 ビクン】ほろ酔い
【私淑 シシュク】直接教えを受けることの出来ない学者・作家などを自分の先生として尊敬し、その言動にならって修養すること
…こんな感じですが、なんだかこれらの言葉で一つのストーリーが浮かぶようですね。なぜこれらの少し艶ある言葉たちを選んだのでしょうか、知る由もないですが。いまの時代、使う人が減っている紙の辞書も、悪くないと思いませんか。