私は仕事上、日本の保険医療機関の所在地と名称などの基本情報のデータを持っています。ざっと病院が8千、診療所が10万あり、その中から弊社の顧客になりうるところを抽出するのですが、それを出来るのは私含め日本には数人しかいません、なんてカッコイイことをたまには言ってみたいですよね。実際は根気と多少の知識とEXCEL操作が人より少し達者であれば出来ることです。正確に言えばこんなことをやる必要がある人が私含め日本には数人だけ、ニッチな業種に生きる私でございます。ちなみに日本の病院・診療所のデータは厚生局という官庁が公表しています。もちろん日々病院・診療所は新しくできたりなくなったり移転したりしますから、私の持っているデータも日々古くなります。でもデータが最新であることが仕事上絶対条件ではありませんから、新しい情報が得られたらコツコツ自力で更新しています。私は新幹線やレンタカーなどに乗っていて新しそうな病院を目にしたら必ずスマホで自分の会社PCにメモをメールするんですよ、エライでしょう。
尼崎市役所が、全住民46万人分のデータが入ったUSBメモリを業務委託先が紛失したと青ざめながら発表、結局は見つかってヤレヤレという最近の世の中らしいニュースがありました。約11万件分のデータを扱った経験がある私が思うに、46万人のデータからたとえば未成年者や後期高齢者だけを抽出しなさいと言われて、それが出来る人はあまりいないでしょう。悪事を働く人はそれなりにスキルフルですが、そんな人間がこのデータをたまたま拾う可能性は高くない、そしてこのデータを誰かに売って儲けようと考えたとしても、こうやってマスメディアで広く報道されたことでそれは世界的名画が盗まれたとしても誰も売買できないのと同じ、データを紛失したらさっさと公に発表した尼崎市の対応は正しかった(尼崎市に限らず業務委託は普通)、委託業者の酔っ払い君は馬鹿ですがよくぞ正直に言った、君たちは案外エライぞと私は思います(東証プライム企業の仕事としてはカッコ悪すぎですが)。大体、個人情報は電子データにされた時点で漏れると考えるべきです。おそらく日本中で今回の件のようなことは起きているけれど実害は無く事なきを得ていると思います。
…最近のテレビ、特に衛星放送の民放を見ていると顕著なのは健康食品関連のCMです。皆さん身体があちこち痛かったりお肌の曲がり角を気にしたり、大変なんですねえと思いますが、サンプル無料とか初回半額とか言って気を引こうとしています。私が思うにこれは膨大な数の日本人から、他人の甘い言葉に乗りやすい人間を抽出してるんですよ、多分。そうやって甘い人間リストが日々作られそしてどこかで販売されていますから(←私の想像です)、今さら全尼崎市民のデータなんて欲しがる悪人は個人情報悪用業界にはあまりいないかもしれません…。それはともかく、考えてみれば私たちは宅配便や郵便局、金融機関、携帯電話の販売店、amazonにかなりの個人情報を差し出していますが、日々日本で情報の悪用による事件なんて聞きません。あまり情報がどうしたこうしたと騒ぐ必要はない、騒いだって情報を漏らさない手段もない、私たちはときに自ら進んで自分の情報を漏らしさえする、要は気分の話であり現代人は自意識過剰なのかもなあと思ったりします。ただ、お金持ちでお人好しのアナタは重々お気を付けください、それだけのことですよね。