先日スポーツニュースをぼんやりと見ていたら、大谷選手は明日のガーディアンズ戦に出場予定とのこと、ガーディアンズなんてチームがあったっけ?と、ああインディアンズという先住民族の名にちなむチーム名を世間の雰囲気に配慮してやめるとかなんとか、そんな経緯があったなぁと思い出しました。私たち文明人気取りの人間はそういう未開の地のもの、古いもの、手付かずの自然なものを珍しく楽しいものとして扱いますが、インディアンズというチーム名は確かに考えてみれば少々無邪気な感じがします。アメリカ人にとっての開拓史は先住民族にしてみればただの侵略掠奪の被害ですもんね。私はロシアは非難されるべきとは思いますがアメリカだって似たようなことをやってきただろうに、という感情は拭えませんよ。
…知床半島での遊覧船沈没事故が連日報じられています。知床半島といえば私の印象にあるのは、数年前のNHKのドキュメンタリー番組での、知床半島で漁業を営む老人男性の話で、その地の漁業の特徴は番屋という仕事場兼居住地です。番屋は昔の交通の便が悪かった時代の名残なんですが、その老人男性だけは今でも独り番屋での漁業生活をしており、そしてこの番組のハイライトは、番屋周辺にエサを求めて出没するヒグマ、そのヒグマを老人男性がコラ!って叱ると近寄ってこない、こちらも本気を出せば伝わるんですよと、まあなんせ現代文明人たる私たちにとっては興味深い場面続出でした。しかしながら、その番組の中で視聴者の心に残るのは、世界遺産の事務局の白人男性が、その老人男性漁師が番屋と町を行き来するための道路が川を橋という人工物で跨いでいることに難癖をつけるという場面、世界で侵略と破壊を繰り広げてきたアンタたち白人に言われたくないよなあと私は思いました。もう視聴者はその老人男性のことを応援したくなるような番組でしたから、余計にそう感じました。
遊覧船の事故、それは確かに運営会社の社長や船長が全面的に責められても仕方がないことですが、ただ、知床半島という未開の地を金が生まれる観光地、珍しくて面白い場所として弄(もてあそ)んできたのは私たち現代人、世界遺産だとか大層なことを言っても結局は単なる観光地としての箔付けに過ぎず、NHKの番組も遊覧船の乗客増加に貢献したことでしょう。観光立国だとか言って国を挙げてはしゃぐものの、大自然に対する畏敬や謙虚さを失った現代人が強烈なしっぺ返しを受けた形になってしまいました。被害者には3歳児も含まれていましたが、知床半島に幼児を連れて行くなんて少々無邪気が過ぎるようにも私は思いますし、番屋の老人男性はいま何を感じているのか、遊覧船がOKなのに自分の生活に必要な橋はNGなんて話があるかと憤っても良いですよね。…明日からゴールデンウィークですが、遊覧船や渡船のある海辺の観光地は私が思いつくだけでも何ヶ所もあります。そんな観光地への影響も小さくなさそうで何とも後味が悪い事故でしたが、皆さまよい休日をお過ごしください。