昨年はコロナで中止された春の選抜高校野球ですが、今年は観客数に制限はありますがほぼ通常に開催されています。一回戦で、大阪桐蔭高校(以下桐蔭と略)というここのところ出場すればいつも優勝するイメージのある高校が負けました。初戦で負けるのは久しぶりとか、大体は甲子園に出場すらそんなには出来ないものなので、はっきり言って異常です。しかし今の日本にはそういった異常な高校がいくつかあります。もはや高校の名を借りたプロ野球チームと言っても過言ではありません。桐蔭をはじめそんな高校が野球が強い理由は全国から野球が上手い中学生をスカウトしており、プロ的な監督が指導しているからです。しかしながら今回桐蔭は初戦負け、チームの監督はさぞ悔しいというかこれが続けば監督をクビになる心配をしていることでしょう。高校の部活とは思えませんね。私は高校野球観戦は好きですが、正直そんな事情が見える最近の高校野球に対してはつまらないと感じています。選手は皆体格的技術的には凄いんですが、どこか抑圧されているように見えます。今回桐蔭の一人の選手について書こうと思います。
初戦で敗れる日の朝、私はネットで桐蔭のS選手についての記事(文春オンライン)を読みました。…彼は今年の大会でビッグ4と呼ばれる投手の一人なんですが、地元は長崎県で中学から高知の学校に野球をするために進学することを選びます。小学生の頃には将来有望な選手としてテレビに出たこともあるとの事です。その中学は高校の附属中学校で、高校は先程私が書いた異常な高校の一つであり、桐蔭のライバルでもあります。しかし彼は野球の技術が向上するにつれ、桐蔭に行きたくなってしまった、すると高知のその学校は彼に退学を突きつけました。高知のその中学を卒業してライバルの桐蔭に入学するという経歴は許さないということでしょう(15歳の少年に対して大人の組織がやることでしょうか…)。彼は長崎に帰り地元の中学に転校しましたが、桐蔭への入学を果たします。そんな彼には注目していて楽しみだ、というネットの記事でした。
そして彼は桐蔭の投手として夢に見た甲子園の舞台に立ったのですが、結果は彼のせいで負けてしまったような試合でした。しかも彼が実力を出した上で負けたのではなく、もはや野球の投手としての技術を忘れてしまったかのように捕手が取れない暴投を繰り返し、顔面蒼白、これまで彼が野球に打ち込んできた時間は何だったのかと思わされました。長い人生、これからだよ気楽にいこうなんて私たち他人は言いますが、おそらく彼は打ちひしがれていることでしょう。
結論、もうそろそろ大人たちは子供を惑わすのをやめましょう。小学生をテレビのネタにしたり中学から親元を離れて野球させたりするのをやめましょう。子供がそうしたいと言っても時には止めるのが大人の役目です。S投手がこれからの長い人生、あっけらかんと生きていければ良いけど、私はなんとなく心配になりました。