私が住む北九州市小倉北区の街中を流れる紫川、川を隔てて西側に比較的新しめのマンションが建ち並ぶエリアがあり、そこにはきちんと働いてお金を持っている人たちが家族で住む町であり、北九州らしさは良くも悪くも感じられないところです。そのエリアにはショッピングモールが二つあり、そのキレイなエリアの中だけで生活が完結しそうです。快適だけど毎日そこで暮らすのは味気なさそうにも私には思えます。…川の東側には猥雑な風俗街や雑然とした繁華街、古びた住宅や市場があります。端的に言ってキレイな西、汚い東です。このことを立場ある人が公の場で面白おかしく話したりするのはタブーです。紫川を挟んでそこにある差は真実であり町とはそういうものですが、そんな話は古今東西あるもので、先日森元首相がオリンピック組織委員の会長を辞めたのもまさにそのタブーに触れたからでしょう。公の場で女性は話が長いなんて馬鹿にしてはいけません。たとえ本当に話が長くなりがちな女性がいるとしてもです。
私が住んでいるところは紫川から10分ほど歩きますが東側、品のあるエリアではありませんが便利です。その昔、暴力団が殺人事件を起こした現場はいま私が住んでいるマンション(当時は建設前ですが)の目の前だったようです、なんて書くと刺激的に過ぎるでしょうか。でも真実は変えられませんから、仕方ありません。むしろその事件のおかげで便利さの割に家賃が安いのなら、私はそれでOKです。治安が良さそうなエリア、というイメージだけで家賃が割高なのとどっちが良いか、そこは人それぞれでしょうけど、私はイメージは気にしません。森氏は女性は話が長いというイメージにとらわれていた、そしてついそのことを話したくなってしまった、自分がオリンピック組織の要職であるにもかかわらず、それだけのことです。
森氏のそれは差別というより単なる悪口、それほど大した話ではないものの、コロナコロナのいま、オリンピックに対する拒否感がないまぜになり国民感情を逆なでしたのでしょうか。ただ、一般の方で森氏にそこまで怒っていたり興味がある人はさほどいないような気もします。後任に決まりかけ辞退した川淵氏もまた高齢者、老害だねと批判するならそれは女性は話が長いと同レベルの蔑視というものですが、言葉のアヤをアレコレ突っつき合うのはもういいですよね。
少し古いですが、ジョジョの奇妙な冒険というマンガがありまして。主人公承太郎(じょうたろう)の友人である黒人の少年が、レストランで他の客から差別的な扱いを受ける場面があり、そこで承太郎の祖母がこう一喝しました。『差別するしないは個人の思想(だから好きにすれば結構)、ただしいま私たちの友人が目の前で侮蔑された、そのことは許せない。承太郎、きっちり仕返ししてやりなさい』…セリフは少し違うと思いますがこんな意味合いの言葉でした。私は差別への対応はこのセリフで結論が出ていると思います。自分や仲間が差別されたなら怒ってその場で喧嘩すればいい、だけど全世界全人類から差別を無くそうなんて考えなくていい…つまり差別は善悪ではなくマナーや美意識に近いもので、すなわち森氏の言動はカッコ悪い、そんな人がトップでいいのか、でも日本の組織や会社のトップってそんな人も多いしそれもまた人間、何を今更と私は思わなくもないですし、カッコつけてばかりのトップってのも頼りなかったりつまらなかったりするもので、そこは紫川の東に住むか西に住むかの話に似ていますね。