先日の日曜日、新聞のテレビ欄にふと目をやると「アーモンドアイ8冠なるか」とありました。なんとNHKの夜7時のニュースのところにです。アーモンドアイというのは競馬の競走馬(牝=メス)で、8冠というのは8つめG1レース(=賞金が高い)を勝てるかということ、つまりはこれまで8つG1を勝った馬がいないけど、それが達成なるかというニュースなわけです。しかしあくまでも競馬ですし、NHKニュースが新聞テレビ欄に出すほどの話ではないような…だいたい普段競馬のことなどまったく扱わないクセにと思いながら、実際にその競馬のニュースを伝えるキャスターの方々を見てみれば、やっぱり興味なさそうでしたし、なんのことかわからず原稿を読んでいるのが丸出しでした。そういう仕事の進め方で良いんでしょうか?それならコロナウイルス関連でもっと伝えるべきことがあるんじゃないかな、そう思いました。ちなみにアーモンドアイは2着に敗れました。
でも、そんなニュース番組のスタンスもまた今回のコロナウイルス騒動らしいなあとも思うんです。世界が終わらんばかりに感染拡大を憂えたかと思えば、色とりどりのマスクを手作りしてますとか、オンライン飲み会盛り上がってますねとか、深刻と楽観が同時進行しているような、どこか本気度を感じないコロナ対策も多く、またそれでも日本は感染者や死亡者が爆発的に増えたということもなく、つまりはよくわからないことばかり、競馬も無観客ながら開催されてますし、とりあえずニュースで扱ってみたんでしょう。
私が競馬を好きなのは、レース結果、つまり競走馬たちが走っての1着2着あるいはダメだった、ということの理由がわかったようでわからないからです。冒頭のアーモンドアイはほとんどの人が勝つと思っていたのに結果的には力負けの2着、振り返ってみれば負けそうな要素はあったけれどそれは人間の推測や思慮を超えている、でもだからこそ競馬が人々を引きつけてやまないのだと思います。
コロナウイルスのこと、競馬でどの馬が勝つかということ、人間はわかろうとしても多分わからない、おそらくは世の中のことは大体よくわからないものなのに、わかったような顔をして日々を過ごすのが人間なのかもしれませんが、競馬をする人間はレースをさまざまな要素を元に予想して、勝つのはこの馬だゼと決めるのが楽しかったりします。レースの結果は予期せぬものになりがちですが、競馬の仕組みや理屈はファンであればみな理解しています。その仕組みのひとつひとつは合理性があるので、一度覚えれば身につきます。この点はあやふやなコロナウイルス対策とは違います。競馬という非常によくできた娯楽を生み出した人間が、なぜ今回のコロナウイルスについてはこんなにも右往左往するのか不思議です。都庁や橋を赤くしてみるかなんてなぜ発想するのか、不思議です。多分、多分なんですが、競馬を好む種類の人はコロナウイルス騒動に対して比較的冷静な判断や行動をしたと思います。考えてみれば、日本の新聞社や放送局のほとんどは競馬のレースのスポンサーになっている(NHK杯とか日経賞とか)のですから、物知り顔でニュースを読むのなら、競馬のルールくらいは知っておいて損はないですよとテレビのキャスターを見ていて思ったのでした。