月別アーカイブ / 2020年06月

この春、いろんな予定が世の中からなくなりました。私個人でもいくつかありますが、その一つ、4月上旬に妻(社長)の実家の皆と潮干狩りに行くつもりでした。その潮干狩り場所は長崎県諫早市の小長井(こながい)といいまして、これまで何回か行ったことがあります。おもに採れるのはアサリなんですが、魚介類のことに興味がある私、その潮干狩り場が大人1人1000円と有料であること、周囲にアサリを育てているらしき区間があることから、ここのアサリの素性が気になって最近少し調べてみました。
諫早市と聞くと、かつてニュースや新聞を賑わした諫早湾干拓事業の話を思い出す方もいると思いますが、あの映像で大きな印象を残した、ギロチンなどと呼ばれた鋼鉄の板はもうなく、いまは土手のような感じになっていて、道路が走っています。…その干拓事業に最後まで反対したのが実はこの小長井の漁協です。干拓事業の是非についてはもはやよくわかりませんが、諫早湾干拓により有明海の魚介類が珍しい種類含めて各種沢山死んでしまい漁業に悪影響を招いたらしい、という漠然とした認識が日本に定着しました。私はこの干拓のひとつの誤りは、川を堰き止めて干拓地とそれに伴う調整池を造ったことではないかと思います。有明海にはいくつもの干拓地がありますが、川を堰き止めた例は他にないはずです。海を埋め立てることも自然の大きな改変ですが、川を堰き止めるのは技術的に出来るからといってやり過ぎ、生物への影響が大き過ぎると私は思います。そして干拓地で作られているのがトマトやキュウリだとか、それがどんなに美味しくても、いろんな問題起こしてまで作る作物だったかと誰しもが疑問に思うでしょう。
ただしですよ、諫早湾干拓が行われたのは1990年頃、有明海への人間による工事類としては後発のもの、つまりそれまでにも有明海に面する佐賀、福岡、熊本でも干拓したり工事したり、田畑から河川経由の農薬の流出、海苔養殖業のやり過ぎ等、魚介類の生存へ悪影響をもたらすことをいろいろ人間はしています。有明海がいよいよ悲鳴をあげはじめるタイミングで、諫早湾干拓が行われた、それを政治家やマスコミが騒いで問題を殊更に大きくしてしまったという…つまりは有明海をさんざん痛めつけた挙句に有明海を守ろうなんて、遅過ぎるんですよね、私たちは。
結局、干拓によりアサリの生育・漁獲にも悪影響があるとして、小長井漁協はアサリ養殖業において補助金を行政から受け取っています。つまりこの潮干狩り場のアサリは天然そのままではなく、このあたりで天然に獲れるアサリの稚貝を補助金により小長井漁協が大事に育てており、それをまた私たちがお金を払って潮干狩りというレジャーを楽しんでいるわけです。こう考えると私たち人間は、これまでずっと他の生物の生息地を荒らしては保護したり、人種差別をしてはデモしたり、政治家がお金の力で選挙を勝とうとしたりしてはやり直したりしています。そして結局は根本的解決には至らず、そのうちまた同じあやまちを繰り返す…せめて私は悪いことをする側にはならないでおこう(現代人は環境問題においては誰しも無罪とは言えないでしょうが)と思うとともに、小長井での潮干狩りは今後ちょっと複雑な気分、現代は何事も白黒はっきりとしないものだなと思わせられました。

先日の日曜日、新聞のテレビ欄にふと目をやると「アーモンドアイ8冠なるか」とありました。なんとNHKの夜7時のニュースのところにです。アーモンドアイというのは競馬の競走馬(牝=メス)で、8冠というのは8つめG1レース(=賞金が高い)を勝てるかということ、つまりはこれまで8つG1を勝った馬がいないけど、それが達成なるかというニュースなわけです。しかしあくまでも競馬ですし、NHKニュースが新聞テレビ欄に出すほどの話ではないような…だいたい普段競馬のことなどまったく扱わないクセにと思いながら、実際にその競馬のニュースを伝えるキャスターの方々を見てみれば、やっぱり興味なさそうでしたし、なんのことかわからず原稿を読んでいるのが丸出しでした。そういう仕事の進め方で良いんでしょうか?それならコロナウイルス関連でもっと伝えるべきことがあるんじゃないかな、そう思いました。ちなみにアーモンドアイは2着に敗れました。
でも、そんなニュース番組のスタンスもまた今回のコロナウイルス騒動らしいなあとも思うんです。世界が終わらんばかりに感染拡大を憂えたかと思えば、色とりどりのマスクを手作りしてますとか、オンライン飲み会盛り上がってますねとか、深刻と楽観が同時進行しているような、どこか本気度を感じないコロナ対策も多く、またそれでも日本は感染者や死亡者が爆発的に増えたということもなく、つまりはよくわからないことばかり、競馬も無観客ながら開催されてますし、とりあえずニュースで扱ってみたんでしょう。
私が競馬を好きなのは、レース結果、つまり競走馬たちが走っての1着2着あるいはダメだった、ということの理由がわかったようでわからないからです。冒頭のアーモンドアイはほとんどの人が勝つと思っていたのに結果的には力負けの2着、振り返ってみれば負けそうな要素はあったけれどそれは人間の推測や思慮を超えている、でもだからこそ競馬が人々を引きつけてやまないのだと思います。
コロナウイルスのこと、競馬でどの馬が勝つかということ、人間はわかろうとしても多分わからない、おそらくは世の中のことは大体よくわからないものなのに、わかったような顔をして日々を過ごすのが人間なのかもしれませんが、競馬をする人間はレースをさまざまな要素を元に予想して、勝つのはこの馬だゼと決めるのが楽しかったりします。レースの結果は予期せぬものになりがちですが、競馬の仕組みや理屈はファンであればみな理解しています。その仕組みのひとつひとつは合理性があるので、一度覚えれば身につきます。この点はあやふやなコロナウイルス対策とは違います。競馬という非常によくできた娯楽を生み出した人間が、なぜ今回のコロナウイルスについてはこんなにも右往左往するのか不思議です。都庁や橋を赤くしてみるかなんてなぜ発想するのか、不思議です。多分、多分なんですが、競馬を好む種類の人はコロナウイルス騒動に対して比較的冷静な判断や行動をしたと思います。考えてみれば、日本の新聞社や放送局のほとんどは競馬のレースのスポンサーになっている(NHK杯とか日経賞とか)のですから、物知り顔でニュースを読むのなら、競馬のルールくらいは知っておいて損はないですよとテレビのキャスターを見ていて思ったのでした。

私が釣りを好きな理由を文章にしてみます。海で魚のいそうなところにエサを落とすと、ググっと竿が引かれ、おっと思いリールを巻くと魚が釣れます。釣れた魚にもよりますが、そこそこのサイズの場合、刺身にできそうなので、すぐに締めます。魚のエラを指で切ると血が流れ出ます。こうしておくと身に血が回らず綺麗で美味しくなります。そして家に帰って魚をさばくと、たまにお腹の中に卵を持っていたりしてちょっと悪かったなと思ったりします。刺身は私の感覚では釣った日より翌日以降の方が美味しいと思います。ちなみに寿司って本来は獲れたての魚を使うのではなく、美味しくなる熟成のタイミングを板前さんが見極めて握るからこそ美味しいものとされるようですよ。…自分で釣った魚はどうしたって美味しいです。釣ったという達成感が自分に美味しいはずだという暗示をかけるんだと思います。私の釣りは美味しく食べて完結、食べないなら釣りません。釣りに行けば必ず釣れるというものではないというギャンブル性があるところもまた良いんです。
以上が釣りを好きな理由です。そこは実感に溢れています。気候を感じ、魚の生命を感じ、調理し食べることでくっきりした味を感じ、私の精神的な満足を感じます。実感があるものは飽きませんし、やめられません。この実感というものは人間の行動の原動力ですよね。私は実感を大事にしたいと思いますし、実感のないこと(仕事も然り)をするのは辛いと思います。
…コロナウイルスへの感染防止のためになるべく活動や外出を控えるように言われていますが、私たちが家に閉じこもりはしない、むしろ最近は普通に外出するのは、やはり感染するという実感に乏しいからです。もちろん、家族の誰かや自分が感染して危機を実感した人は医療従事者へ心から感謝し、政治家の言うことを真剣に聞いているでしょうし、またコロナウイルスの感染者を実際に治療した医師であればこのウイルスは未知のもの、医療に精通した自分が理解できない、薬はないし治療できないという実感を持っているので当然、国民に自粛を呼びかけるのでしょう。でも今も入院中の患者数や致死率は結局どのくらいですっけ?健康な社会人や若い人が何人コロナで亡くなりました?と私は常に思います。現実的には商売上がったりで生活不安を実感する国民を増やしています。結局コロナに「感染して」大変だという話はテレビやネットの中ばかり、日本にいる私はそう感じます。
テレビやネットの情報を鵜呑みにする人や流行に敏感な人などは素直に自粛したりオンライン飲み会もイイネ!とか言ったりするでしょうが、私は納得がいかない、雰囲気より実感を大事にして生きてみませんかと思いながらも、外出時は一応マスクをし続けている自分が歯がゆいところです。万が一の感染ならぬ十万が一の感染も許されないなら(10万人あたりに0.5人感染者がいるかどうかと…)、私たちは本当に何もできないはずですが、この一見普通な世の中は一体なんでしょう。そして7月からは環境保護のためにとレジ袋の全面有料化が始まりますが、これまた雰囲気が幅を利かした現象です。レジ袋が地球環境にかけている負荷すら許さないなら、私たち人間は何もできませんよ。…いいよ別に、旅行や趣味、飲み会なら我慢できるし、レジ袋欲しいときは3円払うよ…そんな人が増え、日本や世界が変な雰囲気になっていくのが私は辛いです。

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