月別アーカイブ / 2019年07月

私が住み働く北九州市の小倉では先週からセミが鳴き始めました。ワシャワシャとクマゼミの声が優勢です。セミは毎年梅雨が明けるころに生まれてきますが、その命は全てが新しい命で、私たち人間はまたセミが鳴き始めたなあと感じますが、彼らセミにとっては人間を見るのは初めてですね。つまりセミたちは毎年必ず命を終えて、翌年は新しいセミが生まれる、それを繰り返しています。ただ、人間が目にする数週間で死んでしまうセミはあくまでも成虫で、幼虫という形態で数年以上生きるので、セミたちにとっての生命のメインは土中での幼虫期間かもしれません。長いセミ生の最期は盛んに鳴いて交尾、なんとも清々しい生き方です。
さて小倉の町も夏にはセミだけではなくお祭りもありまして、7月はあちこちで祇園太鼓を練習する音が聞こえました。この祇園太鼓が無形文化財に指定されているらしく、太鼓を叩く人たちはどこか誇らしげで…今年初めて夏を小倉で過ごす私ですが、その太鼓の音をあまりにもあちこちで聞かされるので、正直なところちょっと聞き飽きました。また、その太鼓のリズムがドンドン、ドンドンという単調なものなので、余計にそう感じてしまいました。今年の梅雨は雨が少なく涼しかったので、部屋でクーラーはあまり使わず窓を開けることが多かったのですが、太鼓の音がウルサ……小倉の皆さんゴメンナサイ。でも、先日19日から21日の本番のお祭りはちゃんと見てはないですが盛り上がっている雰囲気は伝わってきましたよ。
…私は事務所に歩いて通勤していますが、朝、通りの彼方に日本製鉄の工場の煙突が見えていました。いました、というのは、いま取り壊し中でして、もうすっかり短くなってしまいました。この日本製鉄という会社は北九州市の発展に大きく貢献したというか、北九州市そのものと言ってもいい企業です。それが時代の移り変わりでどんどん規模の縮小を余儀なくされ、工場の命を終えようとしています。セミとは違って、終わりが本当に終わりです。この町で鉄が造られることは終わりつつあります。
製鉄が終わるということは大げさに言えば北九州市が終わりに近づくということかもしれません。実際、日本の2019年1月1日時点の人口統計が先日発表されましたが、日本で一番人口が減っている自治体は5年連続(!)で北九州市です。小倉の皆さんが一心不乱に太鼓を叩くさま、その太鼓の音やリズムが私には小倉が変わらずこれからも町として続きたいという訴え、叫び、鳴き声のようにも聞こえます。…しかしながらその長い太鼓の練習期間は、あたかもセミの幼虫期間と同じもの、小倉の人にとっての祭りは練習を含めて祭りなのかもしれません。
弊社のようなちっぽけな会社が東京から移転してきたからといって北九州市に大した影響は与えられませんが、少しでも北九州市の人たちと一緒に働き続けることができたらと思っています。小倉祇園太鼓を見ていると何はともあれまだまだ寂れていない、人間もセミに負けてはいられないと感じましたよ。

出版不況と言われて久しいですが、いわゆる出版物には大きく分けて書籍と雑誌があります。そしてそれらはかつて書店など店のみで売られてきましたが、現代ではインターネット上のアマゾンなど通販でも買えます。皮肉にも読者にとって便利なアマゾンで買えるようになってから出版不況が始まったように思われます。なぜでしょうか?
答えはアマゾンだと読者が買うものに無駄がないからです。書店に行くと本や雑誌が好きな人なら、その場でパッとみてあるいは少し立ち読みして、ああこれも面白そうだな、といわば衝動買いが発生するのですが、アマゾンだとそれがあまりない、私はそんな風に思います。もちろん原因はこればっかりではない出版不況ですがね。
さて、私がやっている弊社も出版社を名乗っていますが、上記の出版物は作っていません。では何をしているかというと、知る人ぞ知るあるものを作っています。それはここでは書きませんし、HPにもさほど案内をしていません。なぜなら知ってほしい人にだけ知ってほしいものを作っている、イコール知らないでほしい人には知ってほしくないからです。情報を限定することでメリットがある場合もありまして…。一方書店で売られている出版物を見ると、それら出版物を作っている出版社は難しい状況だと感じます。
皆さんも是非書店に足を運んでみてほしいのですが、いま書店に行くと私が感じるのは、出版社同士真似のし過ぎだなということです。先発者が素晴らしいアイデアを出し出版してもすぐに陳腐化してしまうのは、売れたという情報が走り過ぎるんですよね。何かヒットした企画があると、それを他社が追随することは昔からあるのですか、出版不況のいま、それがひどくなっているように見えます。出版物が売れないから、売れたものを真似したいのはわかりますが、読者からみてそれはただのパクリ、あれもこれも買うということはないでしょうし、そして書店に対しては安易な陳列をやってるという印象を持ちます。私だったら先発商品に敬意を表し、並べるのは二番手までにして三番手以降のヤツは返品します。そうやっていわば出版社に抗議の返品を書店がすることで出版物が洗練され書店も小売店としてのレベルアップにつながるはずです。
…出版物のヒット商品というものの難しい面は、流行りもので終わるという現象です。出版社は日々何か売れる企画はないかと頭を捻り悩ませているものですが、たとえば、以前うんこ漢字ドリルという商品が爆発的に売れましたが、いまどうでしょうか?もはや書店からの注文はほとんどないと思います。そんな花のような商品は一時的に会社を潤すかもしれませんが、やはり花は花、枯れてしぼんでしまうものです。出版社に限らず会社というものは一発当てるところよりも、春が来れば毎年しぶとく生えてくる名もなき雑草のような商品を持っているところが強いもの、弊社もそうありたいと思っています。なので弊社のイメージカラーは緑なのです、というのは後付けですけどね。皆さんが働く会社の経営者さんがもしも一発当てたがり始めたら気をつけましょう。

7月から、コンビニのセブンイレブンとファミリーマートで同時に新しい支払方法、スマホ電子決済が始まりましたね。妻(社長)がファミリーマートのファミペイのクマのキャラクター、ファミッペがかわいいと言っています。この点でセブンイレブンより先んじたかもしれません。日本においては案外そういう部分は大事だと思いますよ。
さてそのセブンペイ、キャラクター面だけでなくいきなり不正アクセスの憂き目に遭いさらに遅れをとってしまいましたが、ファミペイもさっそく不具合がありいま店頭ではそれに遭った人にはお詫びボーナス進呈と告知しています。やっぱりこのへんですよね。お金を電子化すると他人にスマートに盗まれるかも、いざというとき使えないかもという漠然とした不安、すぐ電池が弱くなるスマホなんかにお金入れられるもんかという不満、昭和47年生まれの私たち(←やたら多い)世代から上の人間にはクレジットカードや交通系のプリペイドカードくらいまでしかどうも気乗りしないというものでして。そしてコンビニ各社のお偉方のみなさんはコンビニなんてあんまり行かないですよね。利用者の気持ちに疎いアナタ達が考えた、電子決済すればこんど消費税が上がる分くらいはおトク、最初にオニギリあげますなんてこと、求められていることとはなんかズレてるんですよ。…交通系カードが普及した理由を考えてほしいんですがね。
この電子決済サービス、日本政府も進めたいことのようですが、お隣の中国や韓国では普及していることが羨ましい様子、そんなにも国民の消費購買行動を把握したいのは、やはり課税をキッチリしたいからでしょうか。でもおそらくは中国や韓国では残念ながら紙幣が偽造されやすいとか、レジの店員が信用ならないとか、そういったネガティブな理由からやむなく電子決済をせざるを得ない面もあると思います。…スマホ電子決済をしたらスマホ内のデータが全てコンビニに渡るのなら何かしら有効な気もしますが、それは許されることはなさそうですよね。中国ならそれをやってるかもしませんが。
電子決済のメリットとしては消費者のデータが取れるということですが、そんなに私たちのコンビニでの買い物に確たる意味がありますかね?コンビニはセブンイレブンしか行かないとかいう人いますか(私のセブンイレブンだけでの買い物データなんて意味ありますか)?都会でも田舎でも同じような店舗を展開するのがコンビニの本質なのでは?そのビッグデータとやらを使いこなせる力量がコンビニの経営者にあるのでしょうか?そもそも現金が使いづらい雰囲気になったらもはやコンビニではない、客は離れるのではないでしょうか?コンビニってみんながパッパと現金で支払ってさっさと買い物できるから良いんですよね。
スマホ電子決済をすれば業務改善ができ消費者の行動が把握できますなんて、コンサル会社の口車に乗せられていやしませんか?私は乱立するナントカペイ、乱立してる時点で消費者にとっての利便性、店舗にとっての有効性は無いと思います。あれこれ疑問ばかり書きましたが、電子化というものはやれたとしてもそのユーザーは限定的でとくに日本では広まらないことは出版物が証明済みだと思うんですけどね。

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