季節は秋の夜長から鍋の食べたくなる時期になってきましたね。芸術・文化の秋、皆さんも読書したり映画観たりしたのでしょうか。私が最近読んで面白かったというか考えさせられたのは、小学館刊『サカナとヤクザ』(鈴木智彦 著)です。ノンフィクションなのですが、漁業や世の中の裏側とか必要悪とかそういったことに興味ある方にはおススメです。映画は、『恐怖の報酬  オリジナル完全版』を観ました。1977年の古い作品ですがこの度日本でデジタルリマスター完全版が上映となりました。私は面白かったですが、恋愛、感動、大団円…の要素はない(少しの友情はあり)内容なので、気心の知れた人と一緒に行くのが良いかもしれません。ヒット中のクイーンはCD持ってますけど映画は興味ないかな…。
さて、この本と映画について知ったのは週刊文春の書評と映画評の欄によります。文春というとゴシップ・スキャンダル記事という印象を持つ方も少なくないと思いますが、現代社会に暮らし働いているなら読んで損はないですよ。たったの税込420円ですので、是非。パッと見が似ている週刊新潮とお間違えなく。
…秋と言えば食欲の秋、白菜やキノコ類も旬を迎え鍋に持ってこいですが、鍋の具になるカニ、それが北海道の根室では昭和の終わり頃、ソ連領とされた北方領土近海で密漁されたものばかりだった、そして現代でも密漁に供給を頼らざるを得ない魚介類がある、そんな話が『サカナとヤクザ』には書かれています。漁業における密漁とは何かというと、魚介類は漁協の組合員しか獲ってはいけないという漁業権を無視し、魚介類によっては設けられている資源保護のための漁獲制限を破ることです。しかし古今東西、人間の飽くなき欲望由来の需要というものがあり、そして密漁された魚介類であっても買うという業者の存在があり、密漁が必要悪及びならず者達の資金源となっているのが現実です。そう知ると、なんだか心穏やかに鍋をつついていられませんね。現代社会は私たちが清く正しく生きたくても、結果的に悪事に加担しているという事実があるということです。
ところで家で鍋を食べるとき、私が子供の頃昭和50年代は家の壁にガス栓があり、鍋用のコンロをゴムホースでそのガス栓に繋いでいましたが、いまはガスボンベ着脱式のカセットガスですよね。あえて実名で行きますがイワタニ社製のものを使っている家庭が多いのではないでしょうか。で、その本体には「イワタニ社製の純正ガスボンベをご使用ください」とあります。でも実際私は純正品ではなくここも実名を出しますが、イワタニ社純正品ではない「火子ちゃん」というボンベを使っています。なぜなら価格が安いからです。そして「火子ちゃん」には「カセットコンロは火子ちゃんシリーズをご使用ください」、つまりイワタニ社のコンロを使うなと書いてあります。そして両者とも、推奨品以外のものではちゃんと作動しないかも、なんて書いてあります。でも、私たちや販売店は皆それらは当然相互に使えるものとして大々的に売買しています。このことは密漁魚介類を食すこと同様、私たちは結果的に違反なのでしょうか。現代人は嘘をつきながら、またあるいは上手に騙されながら生きていくしかないんだろうなと思いながら鍋を食べる初冬、最近私が鍋に美味しいと思う具材は鴨肉です。お試しください。