先日新聞に載っていた記事なんですが、三菱UFJフィナンシャルグループの社長さんが仰るには、今年後半にデジタル通貨「coin(コイン)」を実用化するとのことです。なんでも、スマホアプリで預金をそのcoinと交換できる、そしてcoinはこれまでの仮想通貨と違って1円=1coinで変動せず、加盟店や加盟交通機関で使えるそうです。加盟店は顧客の消費活動のデータが得られるメリットがあるとか。
…皆さん、これが日本を代表する大手金融機関の戦略ですよ。日本は大丈夫でしょうか。そんなのお金と同じ価値しかないのに、用途が狭いしスマホアプリでって…広まるわけがないですよね。お互いがcoinをやりとりできる環境であれば銀行の営業時間外にも手数料無く決済が行えるというメリットもあるようですが、その手数料を生み出しそれで儲けているのは他ならぬ三菱UFJさんですし、今後9時から17時までしか働かないという世の中を目指す日本なんですから、お金のやりとりを今さら新しくすることに意義はない、また現状の通貨より便利なものなんてあるわけがないです。三菱UFJのcoinとやら、私は覚えておきますよ。…それに、みずほ銀行や三井住友銀行、ゆうちょ銀行などの他行がメインの法人個人も多いと思いますが、そこにあるお金はcoinに交換できるのでしょうか?できませんよね。しかるに、絶対に世の中にcoinは広まらないと私は思います。だいたいキャッシュレスなんて、日常を振り返れば預金口座に自動的に給料が振り込まれたり光熱費が預金口座から自動的に落ちたり、買い物をクレジットカードで支払ったり、もはやかなり達成できていることだと思うんですが。
結局は経営者が本音では興味がない仕事は上手くいかないのではないでしょうか。三菱UFJの社長さんともなればお金には不自由していないでしょうから、口先では仮想通貨だキャッシュレスだなんて時流に合わせて言いますが、そもそもアンタはやらんでしょ、これが全てです。社長さんの財布には多額の現金か打出の小槌のようなクレジットカードが入っていて、ご自身は耳寄り情報で買い集めた株など有価証券を所有しているはずです。
一流と呼ばれる会社や法人の経営者の多くは、一般庶民向けの商品を売りながらも、その商品に実際には興味と関係がないという現実、たとえば競馬の運営法人JRAの理事たちは馬券なんか買わない、鉄道会社の経営者は満員電車で通勤なんかしない、銀行の経営者はATMに並んだりしない、孫さんは自分の携帯電話の料金なんて、カルロス・ゴーンはマーチの乗り心地なんて知らないままのはずです。自らの会社の仕事を単なる金の成る木としか見ない経営者から気の利いたアイデアは出ません(←自戒を込めて)。銀行の本質は世に商売を興すことのはず、お金のやりとりや性質を混乱させるようなつまらないことを考えなくて良いと私は思います。私は大企業のトップには基本的に辛口で批判的なのでございます。