北九州市に引っ越してきて早々、九州の雑誌発売日が今年4月から今より1日遅くなるというニュースがありました。元々首都圏より1日遅かったのがこれで2日遅れになり、私が毎週買っている週刊文春は土曜日発売となります。ではもう買うのやめよう、なんてことを言う人はいないと思いますよ。益々雑誌が売れなくなると九州の書店は危惧、との事ですがもはや雑誌に速報性なんて誰も求めてないですって。求められているのは物事への分析・洞察、正確性、信用性、誤字脱字の無さです。それが雑誌の生きる道、私はそう思います。雑誌が発売日にしか売れてないのかというとおそらくそんなことは無いはずです。たとえば特定の書店だけ1日入荷が遅れるのなら死活問題でしょうが、九州全体なら別にいいでしょう。日常的に東京の人間と交流して雑誌について話題にする人なんて九州にはほとんどいないと思います、いまどき。
さてこれから雑誌が遅れる理由としては、トラック業界が運んでくれないからだそうで、なんともシンプルです。働き方改革でトラックドライバーにも1日8時間以上の労働をさせられないとか…また人件費が上がってもはや薄利の出版物(←しかも重い)なんか運んでもらえないとか…まあ確かに運ぶなら儲かりそうな高級魚でも先に運びますよね。出版業が好調で何とかしたいのであれば、出版各社西日本で印刷し取次会社(トーハン、日販の実質2社)が西日本で荷受すれば良さそうですが、いまや青息吐息の出版業はなるべく部数をまとめて1箇所で印刷し物流を集約しないことには採算が取れないと思われます。加えて今年から紙の値段も上がってまして、踏んだり蹴ったりでございます。
私はここで、ああいまの日本人は出版業のみならずもう働かない道を選んでいるんだなとも感じます。どうせ給料は上がりゃしないんだから、ならば時間当たりの給料を上げよう、つまり早く仕事はやめよう、仕事に本気出すのはやめよう、そうではありませんか。出版物をあまねく日本中に運ぶなんて技術的には簡単なのに、ああだこうだ理由を付けてはやらない、なんとかしようと考えることもしない、ホワイトな働き方はちょっと根性と工夫が足りない働き方にも思えます。せめて北九州市、福岡市、熊本市の政令指定3都市くらいはどうにかならないか出来ないかと思いますし、出来るはずなんです。何のためにこんなに高速道路を張り巡らし空港を作ったんでしょうか日本は?…実際のところ面倒くさいから九州はまるごと2日遅れ、そんなノリでしょう。頑張っても給料上がらないからやらない、そんな個人主義が蔓延する現代日本、国力低下は避けられない、グローバルな人材が世界でイニシアチブなんて到底無理だね、私はそう思いますよ。
とは言え、出版の本質を物語るよい話を新聞で読みました。政治学者の姜尚中氏(←そういや熊本出身です)が自身の人生を振り返る記事だったのですが、若かりし日に彼が学を成す基本となったのは、彼の母が営んでいた廃品回収業にて手に入れた古雑誌や古書籍だったとのこと。そう、出版物は早く読むことが大事ではない、いかに読むかです。発売日に手に入れても読まなきゃただの紙ですからね。