夏が来るとマンションの通路や階段にセミやコガネムシなどが転がっていることがあります。彼らを手に取ると、死んでいるようにみえて生きていることがよくあります。コガネムシは夜に灯りに寄ってきて、何かの拍子に仰向けになってしまい、そうすると自力で起き上がれずそのままだと運悪く絶命してしまうようです。先日もコガネムシが仰向けになっていて、拾い上げてやれば動き始めたので、そのまま階下の樹木まで運んでやりました。
私は虫に触るのが平気というか虫が好きです。子供の頃はよく虫捕りをして飼ってました。特にカマキリが好きでした。あの鎌で生きているバッタや蝶をダイレクトに捕まえて食べるというある種の残虐性は私の心を惹きつけるものがありました。
今年の初夏、やたらに暑いですが愛知の小学一年生が熱中症で亡くなるという事故が起きてしまいました。その日は校外学習で学校近くの公園に虫捕りに行き、学校に帰ってきてから倒れたらしいですが、やっぱり先生たちは今の時代性を少し考えるべきではなかったでしょうか。
まず虫捕りなんて授業の一環として皆でするものではないと私は思います。それはやはり遊びであり、自然に親しむなどという大人の理屈でとらえるものではないです。主に男の子が好むはずの遊びですが、それが現代でもそうなのかというと、特に都市部ではもはや虫なんて興味がない子供も少なくない、むしろ男の子でも嫌がったりするんじゃないでしょうか。暑いし興味ないのに校外学習で虫捕りなんて、女の子もいたんでしょうし、子供にとって楽しい授業だったでしょうかね。また私が子供の頃虫捕りして楽しかったのは授業などという縛りが無かったからで、先生がいると調子が狂うものですが。
自然に親しむはずの授業で、自然から厳しい現実を突きつけられた形になってしまいましたが、今の日本の学校は悪いケースに着眼するがあまり、問題のない大多数の子供がその悪いケースを防ぐためのルールをおかしいなと思いつつ従うしかないことがままあります。例えば、変な渾名(あだな)がイジメの原因だとして渾名禁止で「○○さん」で統一とか、そういった事です。私は今回の不幸な事故で、夏休みの虫捕りが子供の遊びから排除される流れにならないか危惧します。
私の住む地域だけではないと思いますが、玄関前に「虫コナーズ(商品名)」等を取り付けている家庭が多いです。虫イコール悪者のような現代人の意識が感じられて私は寂しく思いますが、虫ってそんなことで家に入ってこないほどヤワじゃないですけどね。…昼間の公園で虫捕りして楽しい季節は初秋の頃だと思うんですが、例えばカマキリなら今の時期はまだ小さな幼虫、いまどきの先生は知らないでしょうね。普段から虫に馴染んでいないからこそ、この炎天下に虫捕りの授業をしてしまったのではないかと思います。虫が好きな子供が楽しく虫捕りできる世の中であり続けてほしいと私は願っています。