セックスを探してる | 佐々木ののか | note
セックスができなくなった。 激しい嫌悪感を抱くようになった、というニュアンスに近いかもしれない。セックスについて考えると、憎しみと殺意が湧いてくる。 今までそんなことは一度もなかった。 だけど、原因は“最近のこと”じゃない。過去のある出来事が関係している。 * 最近通い始めたアート学校の課題で、わたしはパフォーマンスをすることになった。自分の関心のある「社会問題」をもとに自由な表現をしてください、といった課題。わたしは当時話題に上っていた「女性の年齢への社会通念」をテーマに据えて、卵子に見立てた生卵を頭の上で割るというパフォーマンスをした。 結果は、酷評。ただ、初めて
note.mu

私には、セックスの経験がない。

女性性を否定されたこともない。
女性性の話を煙たがられたこともない。
元カレから罵倒されたこともない。
そもそも元カレがいない。
無理やり暴力を振るわれたこともない。
男に従順したこともない。

ない、ない、ない。

記事の中で佐々木ののかが経験したさまざまなことを、私は何ひとつ経験していない。

経験したことがないから、彼女の話、意味は分かっても理解をできているのか分からない。共感なんてもってのほか。



不登校になったことがない。
勉強が苦手だったことがない。
ヒドイいじめを受けたことがない。

から
 
「私には、子どもたちの気持ちが分からない。いろんな痛みを経験していない私に、不登校支援なんてできない」

そう本気で思っていた時期があった。


いまは、そう思っていない。

不登校だった子の
勉強が苦手だった子の
ヒドイいじめを受けた子の

話をちゃんと聴いて
否定を挟まずに全部聴いて
声をかけたり
具体的な対策を考えたり

経験はなくとも、そうやって力になれることなんてごまんとあった。



経験がないからって、理解を諦めたくない。

理解しようとせず、否定や諦念からコミュニケーションを始めたくない。



「性とか昔の話をすると、フェミだとか、考えが偏ってるとか、あなたがいちばん男性性と女性性を分別してるとか、けっこうそういうこと言ってくる人がいるんだけど。

違うの。そういうことが言いたいんじゃないの。怒ってるとか引きずってるとかフェミ二ストとか、そういう話がしたいんじゃないの」

佐々木ののかは、半ば酔っ払いながらそんな話をする。私は聴く。


経験はない。
でも、必要なのは経験じゃない。

知りたい。
理解したい。

だから、聴く。
肯定も否定もなく、ただ、聴く。