若い時は、色んな人の絵にたくさん影響を受け
たくさん真似をした。
今だからわかるけど
多くの事を得た代わりに
自分の中にしかなかった多くの個性も失くしたと思う。
何にも影響されず、自分の個性だけで突っ走れる人間は本物だと思う。
自分はそうではない事も知っている。
最近、本棚にある沢山の画集や絵本を手放した。
齢も41になり、今は他人の絵に影響されなくなった事も1つの理由であり
資料としての画集や絵本を必要としなくなった事も理由の1つである。
本当に好きな本や必要な本だけ残して本棚をすっきりさせた。
最近はどうも気持ちが絵に向かない。
頭の中で絵のことばかり考えている。
絵のことばかり考えて
絵が描けていないのは
典型的なダメな時の状態であり
ピンチなのである。
今朝コーヒーを飲みながら本棚を見ていると
手放そうとしたけど、嫁が残しておいてくれたシャガールの画集に目が止まった。
絵に影響されたくなく画集も随分開いていなかったが、何か吸い寄せられるように本を手に取り開く。
ダメな状態の時は
枯れていることが多いのか
水を吸収するように
今自分に足りないものが沢山見えてくる。
こういう風に描こうとか
こんな表現もいいなとか
もっと壊し、もっとしつこく描こうとか。
描き苦しんできた
先人の画家の偉業を見せつけられ
また大きく影響を受け
考えてないで手を動かそうと
思わされた朝だった。
絵を好きになり
絵描きになりたいと思う
きっかけになった画家達の絵は
若い時から変わらず
ずっと何かを与え続けてくれる。