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右手でナルディクラシックを軽く握り、レカロのバケットシートに身を委ね、左手は内燃機関系の各振動を絶えず伝えてくるシフトレバーを包んで感じ取り、自分好みに微調整したペダル類を踏み分けロードスターを走らせる。

適度に体を支えてくれるその狭い空間は、幌を開くと世界が急変する。

頭の上には透明で清らかな風が流れていく。
川の上流を流れる急流に似ている。
風は髪の毛をサラサラと撫でていってくれて何か安堵する自分に気づく。
さらにその上には広がる青く澄み切った空。

突然、無限に広がる空間が頭上に現れるのだ。
狭い空間から解放されたギャップが、さらにその感動を高めてくれる。

愛車の中で最も長く乗ったのが、このマツダ ロードスター(NB1600)だった。

噂通りに乗る者を幸せな気分にしてくれるオープンスポーツカーだった。
体が壊れなかったら、間違いなく今でも乗り続けていただろう。

助手席に乗る妻の笑顔が少なくなったのは、介護疲れからだけではないのかもしれない。
そう思える程に幸せな気持ちにしてくれる素晴らしい車だった。

思い残すは、最新型のロードスターに乗れなかったこと。
NAから脈々と受け継いできた魂に一度でいいから触れてみたかった。