男の友情を描きたくて、ずっと頭を悩ませていた。
自分には河原で殴り合った記憶もないし、だからってミュージシャン同士の熱い友情みたいな歌も描きたくなかった。

友情なんて熱くなくていい。
もっとひっそりと、静かな気持ちを描きたくて、ここ最近頭を悩ませていた。

その時に昔のスタッフからラブ人間ってこんなイメージだよって言葉を伝えられて、それはどんなものかというと「大人になりきれない大人」だという。

それもなかなかうなづけるんだけれど、30歳を超えた俺はもう砂男のような生活をしてないわけで、それはつまりそんな気持ちも持ち合わせてないわけだ。

だからって大人になりきれてるかっというとそういうわけでもない。
相変わらず小さなことでイライラしたり、たった一曲で世界が変わるんじゃないかとか思ってる。

「大人になりきれない」だけじゃなく、「子供のまんまでもいられない」んだよって気持ちをやっぱり持っていて、今の俺にはそれがとても大切なように思う。

大人になりきれない人ってのは、守るものを持ち合わせてない。
だから大人になりきれないでいられる。
でも守るものをポケットいっぱいに入れた今の俺を語るには「子供のまんまじゃいられない」って言葉の方が近い気がした。

そしたら男同士の友情があっさりと描けた。
どうぞ、歌詞を読んでみてください。
高校の頃、図書室に入り浸ってた俺の手を取り引っ張り出してくれたアイツ。
運動もできて、みんなから人気者だったアイツが、なんで俺のこと気にしてくれて、なんでもかんでも話してくれたのか今でもわからないまんまだよ。

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photo by MiNORU OBARA


今日も今からスタジオ。
自主企画「環七エレジー」まで1ヶ月切った。
がんばるぞ。


【今日の新曲】

「図書室のひかり」

この角度だとあの数行が
光の具合で読めなくなってる
外の世界はとても広いけど
さわがしくて思わず立ち止まってしまう

この図書室は誰もいなくて
お弁当食べるのにちょうどいいんだ
本の世界は外の世界より
もっと広くて とても静かなのです

きみが大きな声で僕を呼んで
屋上までの階段を何個も何個も飛ばして
息が上がるよ やめてくれよ
息が上がる 息が上がってしまう

また青空があっけらかんと
調子はどう?とか聞いてくるから
皮肉めいてる ひらり万国旗
さっき読めなかった数行忘れそうになる

いつか産まれて来る子供の名前を
ああでもないこうでもないと君は考えてる
なんかつらいよ やめてくれよ
なんかつらい 胸が詰まってしまう

親の病気のことを案じたり
きみもきみなりに人生が実っていく
息が上がるね でもやめないでいいよ
息が上がる 息が上がるけど

きみが大きな声で僕を呼んでくれる
図書室の光から引きずり出してくれる
大人になる なんてうそみたい
大人になる いつか大人になる