第159回直木賞を受賞し、「動機はそちらで見つけてください」 アナウンサー志望の女子大生が父親を刺殺するという衝撃的な導入で始まる島本理生の同名小説を映画化した『ファーストラヴ』に中村倫也、芳根京子、窪塚洋介が出演していることが発表されました。
本作で主演を務めるのは北川景子。女子大生による動機なき殺人事件の真相に迫る、主人公の公認心理師・真壁由紀を演じます。ミステリアスな容疑者に翻弄されながらも、彼女の心理を解明していくうち、自身が心の奥底にしまい込んでいた"ある記憶"も暴かれていくという複雑な役どころを体当たりで演じ、女優としての新境地を見せています。監督は『十二人の死にたい子どもたち』をはじめ『TRICK』シリーズや『SPEC』シリーズなど数々のスタイリッシュなサスペンスで熱狂的なファンを生み出してきたヒットメーカー・堤幸彦。さらに脚本は、「八日目の蝉」(NHK)や『彼女がその名を知らない鳥たち』の浅野妙子が手掛けます。
今回出演が発表された中村倫也は北川景子演じる由紀の義理の弟で、由紀とともに、事件の真相に迫る敏腕弁護士・庵野迦葉役に挑みます。中村は本作でクールでドライな弁護士をまさに体現。「ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません」と語るように、由紀の過去の記憶のカギを握る難しい役どころだが、中村が放つ色香や佇まい、表情の機微が、張り詰めた糸のごとく、見る者に心地よい緊張感を与えます。
由紀と迦葉が向かい合う父親殺しの容疑者・聖山環菜を、名実ともに若手トップクラスの芳根京子が演じます。父を刺殺しながらも供述を二転三転させ、「環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を、初めて味わいました」と振り返るほど真意のつかめない複雑なキャラクターを、鬼気迫る演技で熱演。
そして、由紀の夫であり、迦葉の兄、二人のよき理解者となるカメラマンの真壁我聞を窪塚洋介が温かく優しい眼差しで演じます。窪塚は、「求められたのは"何もしない"こと」と落ち着いたトーンで作品に抑揚と緩急をつけ、物語に奥行きを持たせています。
各コメントは以下です。
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◆中村倫也(庵野迦葉役)
このビターな世界の中で、迦葉はどんな過去を背負い、またどんな未来を歩いていくのか、日常生活まで入り込むほどずっとず〜っと考えていました。ここまで頭から離れなかった人物は初めてかもしれません。僕がこの世界に入る前から一ファンとして多大なる影響を受けてきた堤さん、窪塚さん。もはや百戦錬磨の芳根さん。そしてなにより、同世代の星、北川さん。試写の案内が届くのが楽しみな今日この頃です。ご期待ください。
◆芳根京子(聖山環菜役)
環菜と向き合えば向き合うほど、引きずり込まれそうで震える恐怖を、初めて味わいました。撮影が終わった今も、思い出すと涙が溢れます。現場の温かい空気と、スタッフ・キャストの皆様に心から救われました。真壁先生が北川さんで本当に良かったです。初めての堤組で経験させてもらった事は、一生忘れません。
◆窪塚洋介(真壁我聞役)
何もしないことの難しさ。 堤監督との12年ぶりの仕事で求められたのは"何もしない"こと。何の狙いも持たずにただただ良き夫、良き兄としてカメラの前で在ることは想像以上に難しかった。 つい作為的になりがちなところを北川景子さん始め、演者とスタッフが真摯に自分の仕事に向き合う様に支えられて挑戦することが出来たように思います。
◆堤幸彦監督
今回のキャストはまさにベストな人選であった。お陰で密度の濃い化学反応がいくつも。
中村氏は眉目秀麗な弁護士を演じるが、彼の役が持つ『影』はストーリーの低いところで少しずつ温かい流れとなって全体をくるんでいく。難しい役どころだったがストイックに演じ切ってくれた。
芳根京子さん。役に憑依するとは彼女の事だ。撮影のシステムも熟知していて狙った場所で狙った以上の演技をする。まさに天才。涙の魔術師。
そして盟友 窪塚洋介。いろいろと過去から演じてもらったが、今回はまさに「はまり役」ではないか。信念と優しさ、まるで扇の要のようにいい声で動揺する魂を鎮めていく。
他にもたくさんのこの映画にとっての適材適所な役者が渦巻いている。本当にたくさん。なんとも贅沢な作品作りであった。感謝!
映画『ファーストラヴ』は2021年全国公開。
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