1mmもシリーズを知らなかった社会人が突如アイカツフレンズにハマった。

この記事はソじゃないアニメ Advent Calendar 2019という企画の中の1つである。他にも素晴らしい作品達を色んな方々が紹介されてるので是非見て頂きたい。

・この作品の概要
主人公・あいねは実家が経営するカフェの手伝いでサンドイッチを届けに行き、そこで出会ったアイドル・みおとひょんなことから一緒にステージを披露することになる。そこでアイカツ、即ちアイドルとして芸能活動を行う楽しさに目覚め、2人3脚でフレンズ(コンビ)を組んで活動を行うアイカツフレンズの世界へ飛び込んでいく…。

・現実との相違点
ただ芸能活動をするといっても、雇われて事務所に所属するごく一般的な労使関係とは全く異なる。
健常な子供たちが通う中学校に「普通科」と「アイドル科」があり、アイドル科所属の学生は学校に通う生徒であり芸能人である。要は学校が芸能事務所も兼ねて学業と芸能人の育成を合わせた教育を行っている、という仕組みだ。
主人公・あいねは前述したみおとのステージ後にこの学校のアイドル科へ転入する事になる。

・この作品の面白い所①「実力差」
ここで面白くなってくるのが、主人公・あいねのアイドル科他生徒達との差だ。
途中で普通科に通う生徒がアイドル科へ転入するケースは珍しく、劇中では後に先にもあいね以外は出てこない。
物語開始時点で中学2年生のあいねとみおは、年齢こそ同じだが境遇は全く異なる。
少し前までは普通科の生徒だったあいねと既にアイドルとして芸能活動をしていたみおとは、天と地ほどの実力差があるのは一目瞭然だ。
更にみおは同学年の他生徒や先輩たちを差し置いて学校のトップアイドルとして世間へその名を知られており、アイドル活動以外にもオリジナルブランドの立ち上げと、デザイナーとしての活動もこなす若くして既に1流のアイドル。特に前半のストーリーでは2人がそれぞれの実力差に苦しむ描写が何度も事細かに綴られている。
そんな中でも持ち前の明るく何事にも物怖じせずに突き進むあいね、そんな彼女を信じて共に活動を続けるみおとの間には少しずつ少しずつ、絆のような物が築かれていく…。あいねはどんなに失敗してもめげない引きずらない、そんな彼女を何より友達として時に優しく時に厳しく接しながら引っ張って行くみお。
この2人だからこそ輝ける、成長出来る2人3脚のストーリーが様々なアイドル達との交流の中で進んで行く。もちろんその道程は決して平坦ではなく、様々な困難が待ち構えている。ぜひ本編を視聴して、始めはでこぼこな2人の成長物語を体感して頂きたい。

・この作品の面白い所②「正反対な2人」
上記のキャラクター欄に居るあいねとみお、エマと舞花、白百合姉妹はそれぞれがフレンズとして活動をしている。
ほぼ同年代の3組6人が互いにぶつかり、時に泣き、時に笑いながらアイドルとしてはもちろん人としても成長していく姿が何度も何度も描かれていく。
それを際立たせる要素のひとつにそれぞれのフレンズ2人が真逆の性格をしているという点がある。

3組とも物語が進んでいく中で様々なドラマが有るのだが、エマと舞花の「先輩後輩フレンズ」は特に際立っている。不釣り合いどころか即喧嘩になりそうなくらい好みも性格も真逆な2人なのだが、正反対だからこそ惹かれ合うストーリーが見事に描かれているのだ。
歌かモデルか、アイカツの方向性に迷った舞花へ「どちらかを諦めて後悔するくらいなら、両方とことんやってみればいい」とエマが諭すシーンがある。口で言うだけなら簡単だが、その時のエマはラクロス選手とアイドルの2刀流を地道に続け、それぞれでかなりの成果を上げていた。
例えラクロスでケガをしても、アイカツとの兼ね合いで過密な日程が続いても、決して挫けず前に進む先輩の生き方と言葉に舞花は惹かれた。魂を揺さぶられた。その気持ちは何時しか憧れとして、舞花自身を突き動かす原動力となった。そんな後輩の姿を見たエマは先輩として、時にはライバルとして舞花と共に高め合っていくフレンズの道を最終的に選んだのだ。この2人の前には「2兎を追う者は1兎をも得ず」なんて故事成語はビクともしない。
何事にもアツくエネルギッシュな舞花の先には、常にポップで軽いノリに見えて実は思慮深い努力家のエマが居る。お互い組む前から苦しい時の辛い姿も、嬉しい時の喜ぶ顔も見てきたエマと舞花。そんな2人のキメ台詞「私達、ぶつかるくらいが良い感じ!」にはお互いがお互いを理解し、信じ合えるほど共鳴する魂の叫びが込められているのだ。ぜひ本編を視聴してこの2人の生き様を目に焼き付けて頂きたい。

・この作品の面白い所③「すれ違い」
昼ドラ、特に恋愛モノでありがちな「女同士のギスギスした空気」になる展開。流石にドラマの如く憎悪に燃えてあの手この手で復讐したり、怒りのあまり殺人まで犯す…なんてことは無いがフレンズというコンビを組む以上、2人の関係がふとした事ですれ違ったり中には解散したりするフレンズも描かれている。特に時間をかけて語られたのが後半に出てくるひびきとアリシアだ。
劇中で主人公・あいねとみおの大先輩であり、フレンズ界のトップとして君臨するカレンとミライのライバルとして出てくる2人だが、初登場時に現れるのはひびきのみ。5年前に「ある事情」から再結成を約束してフレンズを1度解散して以降、完全な絶縁状態になっているというのだ。
ストーリー上で語られるフレンズ同士のすれ違いは前半から幾つかあったものの、この2人のすれ違いにはお互いの感情以前にあまりにも理不尽な展開が待ち受けている。周りと切磋琢磨しながら努力と友情で成長していくストーリーとは裏腹にアイカツの影の部分として語られるこの物語。
突如として引き裂かれた2人の関係を、主人公達を初めとした様々なフレンズの力を借りて取り戻そうと足掻くひびきだが絶縁状態は変わらない。
そしてこのままでは埒が明かないと、主人公達は学校を飛び出してアリシアの故郷「ソルベット王国編」へと進んでいく。5年前に何が起きたのか。フレンズであるひびきにさえ語られる事の無かった真実に、胸が締め付けられる。悲しみのすれ違いの先に待っている結末。前半とは全く違うビターな展開の物語、ぜひ本編を最後まで視聴してアイカツフレンズの行く末を堪能して頂きたい。

・終わりに
感情に任せて書きなぐった稚拙な紹介文をここまで読んでいただけたのは感謝しかない。
この作品はアイカツシリーズ3つ目に当たるものだがここから視聴しても全く問題は無かった。筆者もこのアイカツフレンズから逆算して全シリーズ視聴したのだが非常に楽しむことが出来た。
様々な事情が重なり、ファンからはかなり厳しい評価のこの作品だが気にせずに視聴して欲しい。
3つの中で最もストーリーが短く、1番新しいのもありステージのCGは群を抜いて美しい。物語も分かりやすくかつ面白い、素晴らしい作品だと間違いなく言える。
筆者がそうなった様に、コレを読んでくれた貴方もここからアイカツシリーズに沼って頂ければ幸いである。