◎リスクを知っておくことの大切さ
この先の話を読むと、家を買うことには負わなければならない様々なリスクがある事を知り、気分が萎えてくるかもしれません。それでも事実は事実として知っておいて欲しいと思ってお伝えさせて頂きます。
というのは、理想のマイホームを手に入れたにもかかわらず、土地の地価が下がり、不景気で給料もダウンし、住宅ローンが払えずに大変な目にあった人たちを見てきたからなのです。
みなさんには、買った後に想定外の出来事に遭遇し、「こんなことになるなんて!」と後悔してほしくありませんし、何が起きても「想定内ですがなっ」と堂々と対処できるように当初から備えておいて頂きたいのです。
今回から始まるリスクについてのお話を読んだ後に、仮にみなさんが家を買うことをやめようと思ったとしても、それはそれで一つの決断だと思います。でも途中でやめないで、最後まで読んでくださいね。
◎長期にわたり借金を背負うリスク
ほとんどの方が家を買う場合30年または35年の長期にわたる住宅ローンを組むことになります。仮に30歳で35年のローンを組めば65歳までローンを払い続けることになります。おそらく30歳の時に「65歳まで払い続けることができる」と確信を持って言える人は非常に少ないでしょう。
この35年ローンというのは、借りる人にとってあまり確固たる確信や根拠があって利用されているわけではありません。現実的に将来のことを考えたうえで、35年ローンを組む人というひとが少ないのが実態です。
実際には多くの方が早期に繰り上げ返済を行い、35年ではなく20数年で返していたり、退職時の退職金で残金を一括返済するといった方法で対応しています。
みなさんの勤めている会社があと35年続く可能性はどの程度あると思いますか?さらにその会社にみなさんが35年間勤め続けている可能性はどうですか?途中でリストラされたり、給料が下がったりする可能性はありませんか?
そんな事は誰にもわかりませんよね・・・。
そうなのです。相当不確かなものを頼りに、多くの人が長期のローンを組むのです。「不安だけれどもまぁどうにかなるだろう」と思って組むのが住宅ローンの現実というわけです。
ところで、住宅ローンを組むことで一番儲かるのは誰でしょうか?年収の何倍もの長期ローンを組むことで不動産を買ってもらえる売主さんはいうまでもありません。しかし一番儲かるのは売主さんではなく長期にお金を貸す銀行なのです。
しっかり儲かるからこそ、あれだけ多額の宣伝費用をかけることができるわけです。
では住宅ローンで一番得する方法はなんでしょう?
どの不動産コンサルタントやファイナンシャルプランナーに聞いても答えは同じです。
なるべく借りる金額を抑えるか頑張って早めに返してしまうことなのです。
特に早期に繰り上げ返済して返済してしまうのが購入者にとって一番の得になります。早期繰り上げ返済は、銀行が最も嫌がることなのです。
◎長期ローンが払えなくなったときのリスク
終身雇用制度が崩壊した現在、同じ会社に一生勤めるという人が少なくなってきました。みなさんも5年後あるいは10年後、現在の会社を急に辞めたくなって、転職したくなる時が来るかもしれません。
転職しても給料がアップするか、変わらないのであれば、住宅ローンの返済には何ら影響を及ぼさないでしょう。
しかし収入が減るか、留学したい、独立して店を持ちたいといった理由で、一時的にでも収入が止まるとしたらどうなってしまうでしょうか?
例えばその決断が本当に自分がやりたいことであったとしたら、それと住宅ローンの月々の返済とを両立させることができるでしょうか?
これは、なかなか難しい問題です。
このような人生の転換は本質的には歓迎すべきことではあるはずですが、住宅ローンという現実がそれを阻むのです。私的な意見ですが私は住宅ローンの支払いぐらいで、自分のやりたい人生を諦めることほど、馬鹿げた事はないと思っています。
ですから万一の時の備えに、具体的対策を想定しておきましょう。
親を頼れるか?
配偶者に一時的に払ってもらうか?
売ってしまうか?(でも買った価格では売れないでしょう。としたら住宅ローンの残りの分の返済はどうするか?)
現実的なのは住んでいた家を人に貸し、入ってくる賃料収入で住宅ローンを返済していくという手法です。
いざとなったら人に貸せる、できれば月々の返済額よりずっと高く貸せる家を選んで買う事は、こういった「リスク」を「ヘッジ」することになるのです。
家を買うときその家が貸せる家なのか?貸せるとしたならばいくら位で貸せるのかを事前に調べる必要があります。不測の事態に備えて、このようなリスクヘッジの想定を必ずしておいてください。
次回「人生のフレキシビリティが失われるリスク」につづきます
私が代表を務めております、株式会社ライトハウスのホームページはこちらです https://light-house-osaka.com
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