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第七回「瀬〆漆」せしめうるし

漆の枝から掻き取ったままの漆液。ねばり強く上等なもの。石漆。


「せしめうるし」と読むらしい。この単語も初めて聞いた…。知らない単語ばっかりあるなぁ、こんなに長い事生きてるのに…。
漆ときいて最初に思い浮かんだのは昔付き合ってた彼女のお友達のこと。
 
大学に入学して生まれて初めて彼女ができた三浦くんにとっては全てが新鮮な毎日でした。彼女のお友達とのやり取りも初めての事。女の子たちの会話の中にときどき私も混ざらざるを得ない事が多々ありましたね。これがもうこっぱずかしくて大変だったわけです。でも恥ずかしいからその場から立ち去るのもかっこ悪いし、なるべく立ち会っていたつもりです。そうしていると人間だんだん慣れてくるものでして、いつの間にかお友達たちの名前も覚え、普通に会話できるようになっていきました。
 
大学の4年間が過ぎ、卒業して就職する時期になると彼女の友達たちの進路も耳に入るようになりました。一人は銀行に就職したらしいとか、そういった情報がある中で、一人が就いた仕事がとても印象的だったのを今でも覚えています。
 
「漆職人になりたいから四国にいらっしゃる職人さん(人間国宝)の元に弟子入りする」というものでした。同い年でしかも女の子がこの決断をした事に私はとても衝撃を受けました。しかもそのとき私はやりたい事が何もなくて、就職活動にやる気もないし、卒業したらどうしようかと考える事もせず、ただただぼんやりしていました。だから余計にショックだったんだと思います。
何年後かにその子の話が出たとき、その子は立派に漆職人になったと聞いてすごく嬉しかったのを覚えています。
早い段階で夢を見つけ、それを実現するために動いていた。私のその後の人生にその子は結構大きな影響を与えたと言っても過言ではありません。
 
それを思い出した。今その子はどうしてるんだろう。わかりません。その当時の彼女に確認したらきっとわかると思います。今度確認してみようかな。
 
漆の器ってとても綺麗ですよね。よくあれを植物から採取して器に塗ろうと思いついたよね。そこに感心する。
何でもそうだけど、最初に発見した人が偉いと思うのよね。個人的に一番凄いと思うのは最初に貝を食べようと思った人ね。よくぞあの物体の殻を開けて中のとぅるとぅるのやつを口に入れたよね。
ちなみに私はあまり貝が得意ではありません。これから一生食べなくても平気です。だからなおさら思う。第1号の人凄い。
私の人生に於いて、きっと第1号でやってる事って一つもないと思う。過去に誰かがやってきたことを繰り返しやってるだけ。特に何も生み出さず、長い人間の歴史の中の一瞬としてあるだけ。
そう考えたら好き放題やって死にたいなと思いますね。どうせ誰も気にしてないんだから。
ということで、今回はこの辺で。


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