5年連続5回目の出場となる空想委員会は、キャリア初の「ASTRO ARENA」に登場。
日付をまたぎ、元旦の1時30分から始まる演奏だというのに、フロアにはサウンドチェックから人が集まる。
現体制での活動終了を発表している空想委員会を一目見ようという人もいれば、空想委員会のグッズに身を包み、準備万端の人もいる。
サウンドチェックを兼ね、演奏されたのは空想委員会インディーズデビュー作「恋愛下手の作り方」に収録されている『切iling Me Softly』。ワンコーラス演奏が終わると拍手が起こった。
「続きまして…」というボーカル三浦の言葉のあとに演奏されたのは『春恋、覚醒』。
まだ演奏スタート時刻まで時間があるということでさらに演奏されたのは『ワーカーズアンセム』。
ここで空想委員会がサウンドチェックを終えてステージを去ろうとすると、客席からまさかのアンコールが起こる。
ボーカル三浦は「フェスでアンコールもらったの初めてだ」と笑いながら話す。
アンコールに応える形で『独占禁止法』を演奏し、空想委員会はステージを後にした。

定刻。
SEで登場した空想委員会を会場は温かい拍手で迎えた。
一曲目は『マフラー少女』。空想委員会の中で最も古い曲から始めるあたり、今日のライブへの気合がうかがえた。
会場内は熱気で汗ばむくらいだが、元旦の幕張はとても寒い。それを吹き飛ばすように演奏するギター佐々木とベース岡田も笑顔だ。
2曲目、ギター佐々木の象徴的なリフから始まったのは『完全犯罪彼女』。インディーズ期の空想委員会を支えた楽曲だ。ワンコーラス目を歌っていた空想委員会だったが、フロアにいるオーディエンスは異変に気付いた。
ラストサビが歌い終わったかのようにアウトロを演奏に突入したのだ。戸惑うオーディエンスを尻目にギター佐々木のシャウトが響く。
続いて演奏されたのは『難攻不落ガール』。こちらもワンコーラス演奏し終わると、よく知ったドラムのリズムが始まった。真夏の日差しが照りつけるような照明を浴びながら『劇的夏革命』を演奏。
こちらもワンコーラス歌い終えるとまた別のリズムが始まる。
ギター佐々木とドラムのセッションのようなパートから投下されたのは『色恋狂詩曲』。しかしこの曲は歌うことはなく、アウトロのみ演奏して次の曲へ。

メジャーデビュー作「種の起源」に収録されているリードトラック『八方塞がり美人』。この曲が始まるとすぐにオーディエンスはヒートアップ。メジャーデビューしてからの曲の知名度の高さを痛感する。
ワンコーラス歌い終わるとキーを変えることなく、テンポが落ち、ムードが変わった。
それにのってギター佐々木とベース岡田の「サヨナラ」のコーラスでまたもオーディエンスが盛り上がる。空想委員会が過去に行ったリクエストワンマンライブでも人気投票で上位にいた『純愛、故に性悪説』。
こちらもラストサビからアウトロを演奏し終えると、キーを変えることなく『スタートシグナル』へ突入。
ワンコーラス目がアウトロへと繋がり、メドレーが終了。
時間にして約10分ほどの中に、7曲を演奏するという初めての試みであった。

オーディエンスの興奮冷めやらぬまま、軽快なダンスビートがスタート。
ボーカル三浦は「明けましておめでとうございます!一緒に踊ろうぜ!」と叫ぶ。
ASTRO ARENAの会場の特徴を活かし「2階席準備はいいか!?」「アリーナ準備はいいか!?」と場内を煽る。過去に武道館、大阪城ホールでの演奏経験のある彼らはアリーナでの演奏にも気負いはない。
続いて投下されたのは『空想ディスコ』。
ライブの定番曲となっているこの曲をやらないわけにはいかない。
定番となっているコール&レスポンスもしっかり響かせ、ここまでノンストップのライブは初めてのMCへ。
現体制でのラストワンマンツアーが始まること、そしてバンドとして初のベストアルバムが出る旨を伝えると、最後の曲へ。
空想委員会というバンドはいわば、ボーカル三浦の独り言を音楽にしてきたバンドだ。
彼が感じるフラストレーションを音楽に変換し、「届けたい」という想いよりも「吐き出したい」という想いで活動してきた。
それが活動を続ける中で歌を届ける相手の姿が見えるようになり、「届けたい」という想いが生まれた。
そんな想いを歌った曲が最後に演奏された『エール』。
ここ最近、ライブの最後で演奏されることが多いこの曲だが、今日はまた違った響き方をしたように感じた。
メジャーデビューしてから5年続けて出演させてもらったイベント、COUNTDOWN JAPANへの感謝、空想委員会の音楽を聴くために足を運んでくれたオーディエンスへの感謝、支えてくれたスタッフの方々への感謝を込めて演奏されたこの曲はたしかにASTRO ARENA響いたようだった。
3月31日まで続くツアーを終えた後、彼らはどこへ向かうのだろうか。
それは誰にもわからない。
しかし、COUNTDOWN JAPANというイベントでもらったものは彼らの中に残り続け、いつかきっとそれが活きることになるだろう。
2019年最初の演奏となった今日のライブ。
終わりと始まりを感じさせるライブになったことは間違いない。
ワンマンツアーがどう進んでいくのかとても楽しみにさせる演奏だった。
どうか彼らのラストワンマンツアーに足を運んでほしい。

文章:三浦隆一
写真:結城さやか
日付をまたぎ、元旦の1時30分から始まる演奏だというのに、フロアにはサウンドチェックから人が集まる。
現体制での活動終了を発表している空想委員会を一目見ようという人もいれば、空想委員会のグッズに身を包み、準備万端の人もいる。
サウンドチェックを兼ね、演奏されたのは空想委員会インディーズデビュー作「恋愛下手の作り方」に収録されている『切iling Me Softly』。ワンコーラス演奏が終わると拍手が起こった。
「続きまして…」というボーカル三浦の言葉のあとに演奏されたのは『春恋、覚醒』。
まだ演奏スタート時刻まで時間があるということでさらに演奏されたのは『ワーカーズアンセム』。
ここで空想委員会がサウンドチェックを終えてステージを去ろうとすると、客席からまさかのアンコールが起こる。
ボーカル三浦は「フェスでアンコールもらったの初めてだ」と笑いながら話す。
アンコールに応える形で『独占禁止法』を演奏し、空想委員会はステージを後にした。
定刻。
SEで登場した空想委員会を会場は温かい拍手で迎えた。
一曲目は『マフラー少女』。空想委員会の中で最も古い曲から始めるあたり、今日のライブへの気合がうかがえた。
会場内は熱気で汗ばむくらいだが、元旦の幕張はとても寒い。それを吹き飛ばすように演奏するギター佐々木とベース岡田も笑顔だ。
2曲目、ギター佐々木の象徴的なリフから始まったのは『完全犯罪彼女』。インディーズ期の空想委員会を支えた楽曲だ。ワンコーラス目を歌っていた空想委員会だったが、フロアにいるオーディエンスは異変に気付いた。
ラストサビが歌い終わったかのようにアウトロを演奏に突入したのだ。戸惑うオーディエンスを尻目にギター佐々木のシャウトが響く。
続いて演奏されたのは『難攻不落ガール』。こちらもワンコーラス演奏し終わると、よく知ったドラムのリズムが始まった。真夏の日差しが照りつけるような照明を浴びながら『劇的夏革命』を演奏。
こちらもワンコーラス歌い終えるとまた別のリズムが始まる。
ギター佐々木とドラムのセッションのようなパートから投下されたのは『色恋狂詩曲』。しかしこの曲は歌うことはなく、アウトロのみ演奏して次の曲へ。
メジャーデビュー作「種の起源」に収録されているリードトラック『八方塞がり美人』。この曲が始まるとすぐにオーディエンスはヒートアップ。メジャーデビューしてからの曲の知名度の高さを痛感する。
ワンコーラス歌い終わるとキーを変えることなく、テンポが落ち、ムードが変わった。
それにのってギター佐々木とベース岡田の「サヨナラ」のコーラスでまたもオーディエンスが盛り上がる。空想委員会が過去に行ったリクエストワンマンライブでも人気投票で上位にいた『純愛、故に性悪説』。
こちらもラストサビからアウトロを演奏し終えると、キーを変えることなく『スタートシグナル』へ突入。
ワンコーラス目がアウトロへと繋がり、メドレーが終了。
時間にして約10分ほどの中に、7曲を演奏するという初めての試みであった。
オーディエンスの興奮冷めやらぬまま、軽快なダンスビートがスタート。
ボーカル三浦は「明けましておめでとうございます!一緒に踊ろうぜ!」と叫ぶ。
ASTRO ARENAの会場の特徴を活かし「2階席準備はいいか!?」「アリーナ準備はいいか!?」と場内を煽る。過去に武道館、大阪城ホールでの演奏経験のある彼らはアリーナでの演奏にも気負いはない。
続いて投下されたのは『空想ディスコ』。
ライブの定番曲となっているこの曲をやらないわけにはいかない。
定番となっているコール&レスポンスもしっかり響かせ、ここまでノンストップのライブは初めてのMCへ。
現体制でのラストワンマンツアーが始まること、そしてバンドとして初のベストアルバムが出る旨を伝えると、最後の曲へ。
空想委員会というバンドはいわば、ボーカル三浦の独り言を音楽にしてきたバンドだ。
彼が感じるフラストレーションを音楽に変換し、「届けたい」という想いよりも「吐き出したい」という想いで活動してきた。
それが活動を続ける中で歌を届ける相手の姿が見えるようになり、「届けたい」という想いが生まれた。
そんな想いを歌った曲が最後に演奏された『エール』。
ここ最近、ライブの最後で演奏されることが多いこの曲だが、今日はまた違った響き方をしたように感じた。
メジャーデビューしてから5年続けて出演させてもらったイベント、COUNTDOWN JAPANへの感謝、空想委員会の音楽を聴くために足を運んでくれたオーディエンスへの感謝、支えてくれたスタッフの方々への感謝を込めて演奏されたこの曲はたしかにASTRO ARENA響いたようだった。
3月31日まで続くツアーを終えた後、彼らはどこへ向かうのだろうか。
それは誰にもわからない。
しかし、COUNTDOWN JAPANというイベントでもらったものは彼らの中に残り続け、いつかきっとそれが活きることになるだろう。
2019年最初の演奏となった今日のライブ。
終わりと始まりを感じさせるライブになったことは間違いない。
ワンマンツアーがどう進んでいくのかとても楽しみにさせる演奏だった。
どうか彼らのラストワンマンツアーに足を運んでほしい。
文章:三浦隆一
写真:結城さやか